どの分野でも新たに市場に参入し、顧客を獲得するのは非常に難しいものです。通信教材の場合は進研ゼミやZ会という手強い相手がいましたが、タブレット端末のインパクトは凄まじく、スマイルゼミは新規参入でありながら通信教材の市場で新たなジャンル開拓に成功。

この動きを追随するように、進研ゼミは2014年度から小学生コースで「チャレンジタッチ」を、Z会もiPadを使用するタブレットコースを開講しました。

1台の端末で全ての勉強が終わる手軽さ

タブレット端末の通信教材の最大の特徴は、「1台で全ての勉強が完結する」です。それ以前は、毎月郵送された教材を解き、答案を返送して添削指導してもらうというスタイルが昭和から変わることなく続いていました。

これは子どもが課題に取り組むことが前提となっていますが、せっかく会員になっても、問題を解かず、返送しなければ学習定着や学力アップにつながりません。

課題に取り組めばポイントがもらえ、そのポイントを集めれば景品が貰えるというシステムで子どものやる気を引き出すような仕組みもあります。それでも全員が取り組むかといえば、なかなかそうもいきません。

一方、タブレット端末1台で学習が完結するスマイルゼミの登場は、「楽しみながら学ぶ」という新たな学習モデルを提案。図形問題や理科は映像で理解度が深まるという、文明の利器のメリットが活かせます。

いずれの教材でも、基本的にはAIが生徒児童それぞれの苦手単元を診断し、個々に合わせた問題が出題されることや、映像授業を準備するなど塾的な要素も取り入れており、従来の通信教材のイメージを大きく変えています。