高所得者の特例給付の「復活」を要望
そもそも、児童手当とはどんな内容かを見ていきましょう。
現行の制度では、中学校卒業までの子ども1人について毎月手当が支給されます。金額は下記の通りです。
3歳未満:1万5000円
3歳以上:小学校終了前までが一律1万円(第3子以降は1万5000円)
中学生:1万円
ただ親の所得によっては限度額があります。たとえば会社員の夫と専業主婦の妻で子どもが2人いる世帯を想定します。
この場合、夫の年収が960万円を超えたら、「特例給付」として支給額は子ども1人につき一律5000円となっていました。
この一律5000円の手当について、年収1200万円以上の高所得世帯は対象外となる法案が2021年5月21日に成立しました。廃止の決まったこの手当を復活させてほしい、というのが立憲民主党の要望です。
所得の多寡に関わらず、子育て世帯全体に公平な給付を求めたと言えるでしょう。
児童手当「財源を確保していく」
今回の骨太の方針では児童手当について、在り方の検討などに取り組むとしています。そのうえで、「消費税分以外も含め、適切に財源を確保していく」 と明記しています。
児童手当をめぐる議論に、今後も注目していきましょう。
参考資料
- 内閣府「経済財政運営と改革の基本方針 2021(仮称)(原案)」
- 自民党「『こども・若者』輝く未来創造本部が初会合を開催」
- 立憲民主党「『子ども総合基本法案』を衆院に提出」
- 内閣府「児童手当制度のご案内」
- 齊藤 慧(LIMO)「【児童手当】特例給付5000円の「復活」や高校生まで拡大も?」
齊藤 慧