65歳までに、効率よく貯蓄を増やす方法とは
ここからは「65歳まで」に貯蓄額を増やしていく方法についてお話ししていきます。
重要なポイントは、いかに効率的に増やしていくか、といえるでしょう。
「お金を貯める」と聞いて、多くのみなさんが真っ先にイメージされるのが、家計を見直して月々の貯金額を上げること、ではないでしょうか。もちろんこれも正解の一つといえます。
しかし、現在の銀行預金の金利はほとんどゼロに近いので、いくら預けていても受け取る利息はごくわずか。お金を「増やす」ことには繋がりにくいのです。
ではここで「ゆとりある老後生活には、約5400万円が必要である」と考えます。仮に貯蓄を2292万円持っている場合は、その差額は3100万円ですね。
この3100万円という金額を、30年間かけて預貯金で準備していく場合、月々に約8万6000円を積み立てていく必要があります。この金額を欠かさず貯め続けて行くことは、多くの世帯にとって、決して簡単なことではないでしょう。
そこで視野に入れていただきたいことの一つが、「資産運用」です。
一例を挙げると、年間6%複利で運用できる商品を選ぶことで、同じ30年という期間でも月々3万円を積み立てるだけで約3000万円というお金を作ることができます。(※売却時にかかる税金などは考慮していません)
「複利」とは、投資から得られるリターンを手元に受取らず、再投資して運用に回すことで雪だるま式に資産を増やしていく手法です。
バランスよく資産運用を組み入れたポートフォリオは、老後に向けて効率よく資産を増やすための第一歩といえるでしょう。
「お金のプロ」を味方につける。
65歳以上・無職世帯の貯蓄現在高である「2292万円」。これを多いと感じるか、少ないと感じるかは人それぞれでしょう。
とはいえ、老後には、さらに数千万円単位のお金が必要となる可能性がある、という点に驚かれた方は多いかもしれませんね。
そんな「老後のお金不安」を和らげる方法の一つとして、「資産運用」のたいせつさをお話しさせていただきました。
資産運用は、効率的にお金を育てていくための手段ではありますが、最適な金融商品や運用スタイルは人それぞれです。
「餅は餅屋」ということわざがあります。
信頼できるお金のプロを味方につけて、これから準備すべき金額、そして、それを効率よく準備していくための方法を、上手に探していきたいものですね。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」
- 金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第21回)厚生労働省提出資料
- LIFULL介護「老人ホームの費用相場」
- 公益財団法人生命保険文化センター〈「生活保障に関する調査」/令和元年度〉
- 熊谷良子(LIMO)「65歳以上「みんなの貯蓄額」無職世帯の平均はいくらか」
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マネイロ「資産運用はじめてガイド」
佐藤 雄基