シニア世代の就労を後押しする制度が整いつつあるこんにち。定年引き上げや、再雇用・延長雇用の計画を打ち出す企業も増えています。
とはいえ、やはり還暦を迎える60歳、もしくは年金受給の開始年齢である65歳を、「老後のスタート地点」と捉える人が多数派ではないでしょうか。
今回は、2021年5月18日に公表されたばかりの、総務省「家計調査」をもとに、65歳以上世帯の貯蓄事情を見ていきます。
いまどきシニア「貯蓄はいくらあるのか」
ここからは、総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」から、世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄について、最新データをながめていきます。
まず、二人以上の世帯のうち、世帯主が65歳以上の世帯について、貯蓄額の分布を確認しましょう。
65歳以上・二人以上世帯の「貯蓄額分布」
65歳以上・二人以上世帯の「貯蓄現在高」
(貯蓄保有世帯)
平均値…2324万円
中央値…1555万円
上記の貯蓄分布をながめると、65歳以上世帯の40.7%が、あの「2000万円」を超える貯蓄額を保有しています。
また、4000万円以上の世帯が17.3%、300万円未満の世帯が15.4%と、それぞれ同程度存在している点は着目すべきでしょう。「老老格差」などと呼ばれる貯蓄の二極化が起きていることが分かります。
また、「2000万円」を一つの区切りとして考えたとき、平均値ではそれを超えていますが、中央値はまだ手が届いてない状態です。