「65歳以上・無職世帯」の貯蓄のすがた

冒頭でも少し触れたように、「65歳」といえば、多くの方にとって老齢年金の受給がスタートする一つの節目かもしれません。

そこで、65歳以上・二人以上世帯のうち「無職世帯」にフォーカスして、その貯蓄のすがたをながめていきます。

65歳以上・無職世帯「現在貯蓄高」の推移

総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯) Ⅲ 世帯属性別にみた貯蓄・負債の状況」をもとに筆者作成

2015年から2019年までは右肩下がりでしたが、2020年で一転。前年に比べ74万円、割合にして3.3%の増加となっています。

では、2020年の「65歳以上・無職世帯」の貯蓄の内訳をみていきましょう。

「65歳以降・無職世帯」の貯蓄の種類別貯蓄現在高(二人以上の世帯)

金融機関

通貨性預貯金・・・618万円(27.0%)
定期性預貯金・・・920万円((40.1%)
生命保険など・・・397万円(17.3%)
有価証券・・・348万円(15.2%)

金融機関外・・・9万円(0.4%)

また、同調査結果によると、通貨性預貯金は618万円で前年に比べて13.8%増えています。長期化するコロナ禍で家計を引き締めた家庭が多かったことなどが、この背景として推測することができそうですね。

「通貨性預貯金」とは

「通貨性預貯金」とは自由に入出金可能な普通預金など、「定期性預貯金」とは金融機関に一定期間預ける定期預金などが含まれます。「生命保険など」は、積立型の生命保険や損害保険、養老生命共済や簡易生命保険などを指します。