総務省統計局が2021年5月18日に公表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2020年(令和2年)平均結果―(二人以上の世帯)」によると、二人以上世帯の貯蓄現在高の平均値は1791万円で、前年より36万円増えています。また、負債現在高の平均値は572万円で、前年より2万円増えています。
家計から「出ていくお金」そして「貯蓄額」は、ライフイベントの影響をうけ、その世代ごとに変わってくるでしょう。
今回は、総務省統計局が2021年5月に公表した、最新版の「家計調査報告(貯蓄・負債編)」をもとに、はたらき盛りの40代から50代世帯の貯蓄について深掘りしていきます。
40歳代・50歳代世帯の平均貯蓄額は?
先述の総務省統計局の資料によると、40歳代・50歳代(二人以上世帯)の貯蓄・負債の平均は以下のとおりです。
40歳代世帯の貯蓄
- 貯蓄現在高:1081 万円
- 負債現在高:1231 万円(うち「土地・住宅のための負債」:1152万円)
(年間収入:786万円)
50歳代世帯の貯蓄
- 貯蓄現在高:1703万円
- 負債現在高:699万円(うち「土地・住宅のための負債」:620万円)
(年間収入:869万円)
※「土地・住宅のための負債」はいわゆる「住宅ローン」のことです。40歳代、50歳代世帯の負債の大部分が、住宅ローンとなっているようです。
40歳代、50歳代いずれの世帯の貯蓄額も、全体における平均値を下回ります。しかし、平均値との差に着目すると、40歳代で710万円だったのに対し、50歳代になると88万円まで縮まることが分かります。
さらに、貯蓄額から負債額を差し引いた「純貯蓄額」を見てみましょう。
- 40歳代 1081万円-1231万円=マイナス150万円
- 50歳代 1703万円-699万円=プラス1004万円
40歳代ではマイナスだった純貯蓄額は、50歳代でいっきにプラス1000万円を超えています。
40代から50代にかけては、住宅ローンや教育費といったコアな支出が家計を圧迫している世帯から、それらの出費のめどがつき始める世帯が増える時期といえるでしょう。また、50歳代は年収がピークを迎える人が多い年代でもあります。
こうした要素が、40歳代から50歳代にかけてみられる「純貯蓄の大幅な伸び」の背景の一つであることは、間違いないといえそうです。
次では、40歳代・50歳代世帯の貯蓄の中身について深掘りしていきます。