今年(2021年)1月27日、日本経済新聞が「給与デジタル払い今春に」と報じたのをご存じでしょうか?

その後、4月5日に実施された内閣府の規制改革推進会議・作業部会の議事録では、「政府は2021年度の早期に給与デジタル払いを制度化する方針」とされていることも伝えられています。

つまり、銀行振込や現金払いが主だった給与の支払いが、近いうちにスマホ決済サービスを提供する資金移動業者にも解禁されるとみられているのです。そこで本記事では、給与のデジタル払いとはどんなものか、そのメリットや懸念・課題について見ていきます。

給与のデジタル払いとは?

給与のデジタル払いが解禁されると、スマホ決済やプリペイドカード、電子マネーなどで給与が支払えるようになるといわれています。

具体的には、PayPayやLINE Payといったスマホ決済サービスを提供する資金移動業者が、プリペイド式の給与振込用カード「ペイロールカード」を発行し、企業は「ペイロールカード」の口座に直接振り込むことができるようになるという仕組みが想定されています。

ちなみに米国では「ペイロールカード」がすでに導入されており、たとえばUber(ウーバー)の労働者などが報酬の支払いを受けるときに使われているようです。

この「ペイロールカード」をスマホ決済サービスと接続できるようになり、振り込まれた給与をスマホ決済に利用できる残高として扱えるようになれば、ATMからお金を引き出したり残高にチャージしたりすることなくスマホ決済で支払いができるので、日常における利便性はかなり高くなるでしょう。