この特徴を利用して、例えば「現役時代は、年率6%の株式型の投資信託で運用して、定年後は年率3%の債券型の投資信託に切り替えよう」というように、自分の生活の変化に応じて運用方法も見直すことが大切です。
もし、先ほどの60代(金融資産保有世帯)の貯蓄額の中央値に近い1400万円を、投資信託で年率3%の複利で10年間運用したとすると、およそ1900万円まで資産を増やすことができる計算になります。
「老後生活に入ってからも、運用を考えていかなければならないのか…」と感じた方もいるかもしれませんね。
しかしながら、人生100年時代と言われている昨今。引退後にただ資産を切り崩すのでなく、少しずつでも資産を増やしていければ老後生活の安心感にもつながるでしょう。
リスクとリターンのバランスを考えながら「細く長く」運用し続けていくことが、お金の寿命を延ばすコツになってくるのではないでしょうか。
専門家に情報を聞く
「老後2000万円問題」が大きな話題となったように、老後に向けたお金の準備に意識を向ける方が増えてきました。長寿時代を見据え、個人が行う資産形成の必要性は年々高まっているように感じます。
金融商品や運用方法といった「専門的なお金の情報」を仕入れるには、やはりお金のプロに話を聞くのが一番の近道といえるかもしれません。
「資産運用って難しそう」「自分の年齢で運用をスタートするのは遅いかも……」
そんな理由でなんとなく最初の一歩を踏み出せずにいらっしゃる方も多いでしょう。
一番もったいないのは、何もせずに時間だけが過ぎてしまうことです。
プロの客観的なアドバイスを受けることで、ご自身にあった「お金の育て方」が見つかる可能性もあります。お金の疑問や悩みごとがある方は、まずは気軽に相談してみることから始めてみませんか?
参考資料
- 金融広報中央委員「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」
- 金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第21回)厚生労働省提出資料
- 公益財団法人生命保険文化センター〈「生活保障に関する調査」/令和元年度〉
- 森重由里子「定年退職前の60代、みんなの貯金額はいくらか」(LIMO)
- マネイロ「資産運用はじめてガイド」
佐藤 雄基