一方、公益財団法人生命保険文化センターの「生活保障に関する調査/令和元年度」によると、趣味や旅行なども含めた「ゆとりある老後生活」を送りたい場合には、月々の生活費は36万1000円かかるという結果も出ています。

これを先ほどの計算式にあてはめると、2000万円どころか約5400万円が不足する計算になります。

定年退職までに、老後の心配がないくらいの資金を蓄えるのが理想ではありますが、現実的には難しい状況であると言えるかもしれません。

そこで、ここからは60代までに貯蓄したお金の「寿命」を延ばすコツについてお話していきたいと思います。

60代以降、お金の「寿命」を延ばすコツ

お金には、「攻める時期」と「守る時期」があります。

「攻める時期」は、老後に向けて資産を大きく増やしていく期間です。つまり、主に仕事をしている現役時代にあたるでしょう。

一方「守る時期」とは、引退後に年金生活をおくる期間になりますので、現在60代の方の多くはこの時期に該当することになります。

この2つの時期の大きな違いは、お金のリスクの許容度にあります。

例えば、「つみたてNISA」や「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」の登場で、以前にもまして私たちの生活に身近な存在となりつつある「投資信託」を例に見てみましょう。

投資信託とは、投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品ですが、その運用対象によってリスクとリターンの度合いは様々です。