先日、日本を代表する大手企業パナソニックが、早期退職プログラムの一環として「割増退職金」を導入し、その上限を4000万円に設定したとして大きな話題になりました。
本来、会社員の退職金とは、長年会社で働いてきたことへのねぎらいの意味を込めて支払われるものです。
言い換えれば、退職金を支払うか、いくらの退職金を支払うかは、企業が独自に決めることなので、会社によっては「退職金制度がない」ということもあります。
私は大手生命保険会社の勤務経験を経て、フィナンシャルプランナーとして1000世帯以上のお客様のフィナンシャル・プランニングに携わってきました。
まとまった金額の退職金があれば、その後の暮らしの大きな支えになることはいうまでもありません。
しかしながら、もし勤め先に「退職金制度がない」、または「退職金制度はあるが、退職金が少ない」場合は、どのように備えていけば良いのでしょうか。
退職金制度の「ない」企業の割合は?
まずは、厚生労働省「平成30年就労条件総合調査 結果の概況」より、企業規模別の退職金制度の有無を見ていきましょう。
退職給付(一時金・年金)制度がない企業の割合
- 1000人以上:7.7%
- 300~999人:8.2%
- 100~299人:15.1%
- 30~99人:22.4%
平成30年調査計:19.5%
平成30年の調査計によると、約2割の企業に退職金制度がないようです。
企業規模が小さければ小さいほどその割合は高まりますが、日本の企業全体に占める割合は中小企業・小規模事業者が99.7%(357.8万者)、大企業が0.3%(1万1157者)です(※)。
事業者数の分母差を考慮すると、退職金制度のない企業数は思った以上に多いといえるかもしれません。
※ 中小企業庁「中小企業・小規模事業者の数(2016年6月時点)の集計結果」