③資産運用で自分の退職金を用意しておく
最後に、「自分で自分の退職金を準備する」という方法です。
これは前述の①と②のどちらを選択した場合でも、取り入れることができます。
もし退職金の代わりに、自分で2000万円の老後資金を準備するとしたらどうでしょうか。
金利が全くつかないと仮定して、年間約66万6000円(月約5万5000円)の貯金を30年間ほど欠かさずに続けた場合、ようやく2000万円を達成できる計算になります。
「自分にはちょっと難しそうだ」と感じた方もいるかもしれませんね。そこで、効率的にお金を増やすために、預貯金だけでなく「資産運用」も検討してみることをオススメします。
近年は、国の後押しもあり「つみたてNISA」や「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」など、個人でもお得に資産運用を始められる制度が充実しています。
とはいっても、「資産運用はよく分からない」「リスクが怖い」という声がまだまだ多いのも事実です。
最近では無料で参加できるマネーセミナーや、お金の専門家に相談できる場も増えています。そういった機会を上手に活用してみると、資産運用への理解がぐっと深まるのではないでしょうか。
まとめにかえて
平均寿命が伸びるのは本来喜ばしいことですが、人生100年時代を支えるお金に不安を持つ方も増えてきています。
リタイア後にゆとりのある暮らしを望むとすると、退職金や公的年金だけに頼るのは心もとないと言えるかもしれません。
いざという時に、やはり頼りになるのは自分で準備してきた貯蓄です。自分に合う方法を模索しながら、今からできることからコツコツ始めてみませんか。
参考資料
- 佐藤雄基「退職金ゼロ企業は約2割!老後のお金はいくらあれば安心か」
- 中小企業庁「中小企業・小規模事業者の数(2016年6月時点)の集計結果」
- 厚生労働省「平成30年就労条件総合調査 結果の概況」〔退職給付(一時金・年金)制度〕
- 厚生労働省「平成30年就労条件総合調査 結果の概況」〔退職給付(一時金・年金)の支給実態〕
尾崎 絵実