リファラル採用の広がりにも注目

もう少し「転職動向調査2021年版」のデータを見ていきましょう。まずベースとなる正社員全体の転職率。同調査では昨年の転職率は前年比2.1ポイント減の4.9%。2016年から2019年までは増加傾向にあったが、2020年は減少に転じ、2018年と同水準になったと分析しています。

次に転職のタイミングですが、昨年転職した人のうち、67.5%が在職中に転職しています。3分の2強の数値ですね。やはり、就業しながら転職活動をおこなうスタイルが一般的のようです。

個人的に興味があったのは、リファラル採用の動向です。ご存じの方も多いと思いますが、リファラル採用とは最近注目されているキーワードで、ひとことで言うと社員に人材を紹介してもらう採用手法のことです。

自分の会社をよく理解した社員の紹介であるため、その会社にマッチした人材を募集でき定着率も高いと言われています。そのため、欧米では採用の重要な方法とされています。

同調査では、“知人・友人に自社を紹介したことがあるか"に対し、32.2%が「紹介したことがある」と回答。特に20~30代男性や営業職では4割前後と、高い割合を示しています。

紹介した理由としては、「会社から知人・友人を紹介してほしいと頼まれたから」(35.8%)が最も多く、次いで「自分が勤める会社の環境が良く、友人に勧めたいと思ったから」(35.6%)、「知人・友人から紹介してほしいと頼まれたから」(35.0%)と続いています。

日本の企業もリファラル採用を重視し始めているようです。友人・知人とのネットワークはやはり貴重な財産ということだと思います。