現役時代にコツコツ貯めた「老後資金」。会社を退職して収入が公的年金だけになると、いよいよ老後資金を取り崩して生活していくことになります。

生命保険文化センターの調査によると、預貯金や個人年金保険、有価証券などの老後資金を使いはじめようと考えている年齢は、平均65.9歳となっています。

70代を超えると、60代の頃よりも資産が減少すると予想できますが、実際にはどれほど取り崩しをしていると考えられそうでしょうか。

今回は、2021年5月に発表された最新のデータより、60代と70代以上の貯蓄額・負債額を比較していきます。

60代以上「みんなの貯蓄額と、その中身」

さっそく、総務省の「総務省家計調査報告(貯蓄・負債編)二人以上の世帯 2020年(令和2年)平均結果」より60代・70代以上の平均貯蓄額とその中身を見ていきましょう。

60~69歳
平均貯蓄額:2384万円

・通貨性預貯金:669万円
・定期性預貯金:852万円
・生命保険など:500万円
・有価証券:343万円

・金融機関外:20万円

70歳以上
平均貯蓄額:2259万円

・通貨性預貯金:642万円
・定期性預貯金:882万円
・生命保険など:392万円
・有価証券:334万円

・金融機関外:9万円

通貨性預貯金:期間を決めず、いつでも出し入れ可能な普通預金など
定期性預貯金:預入期間が決められている定期預金など
生命保険など:生命保険、損害保険、養老生命共済、簡易生命保険など
有価証券:株式、株式投資信託、債券など

 

60代と70代以上の貯蓄額を比べると、若干の減少はありますが、そこまで大きく取り崩しているというわけではなさそうです。

生活費を公的年金で賄えない場合は貯蓄から取り崩す必要がありますが、貯蓄を減らさないようにやり繰りを頑張っている家庭が多いのかもしれません。

また、60代、70代以上のどちらについても定期性預貯金が一番多い金額となっています。現役時代に定期預金で老後資金を準備して、預け入れたままというケースが多いと考えられます。