デメリット②「減額率は一生涯固定される」

さきほどお話しした減額率は、一生涯固定されます。つまり、65歳以降もずっと減額された年金額での受給ということです。

60~64歳の間だけ減額されるわけではありませんので、仕事をして年金以外に収入がある間は何とかなるかもしれません。しかし、完全に年金のみの暮らしに突入すると生活費としてはかなり不足しそうですね。

デメリット③「在職老齢年金の支給制限がかかりやすくなる」

在職老齢年金とは、厚生年金を受給しながら、厚生年金の被保険者として仕事を続けている場合にその金額に応じて年金の支給に制限がかかる制度です。

65歳未満の場合、現時点では、受給している老齢厚生年金の基本月額総報酬月額相当額(給与)との合計が28万円以上になると、28万円を超えた部分の半分が「支給停止」になります。

「基本月額」と「総報酬月額相当額の計算式」

基本月額
加給年金額を除いた特別支給の老齢厚生(退職共済)年金の月額

総報酬月額相当額
(その月の標準報酬月額)+(その月以前1年間の標準賞与額の合計)÷12


繰上げ受給はメリットだけではなく、複雑なデメリットの面もありますので、検討する際はよく理解してから申請するようにしましょう。