そこで、大事になってくるのが「お金にも働いてもらう」という視点、つまり資産を運用することです。
例えば、先程と同じ6000万円を目標とすると、年利6%の金融商品を30年間複利で運用することが出来れば、月々に必要な積立金額は約6万円で済む計算になります。(※金融庁ホームページ「資産運用シミュレーション」より算出)
ここで「複利」という言葉が出てきましたが、複利とは投資から得られたリターンを手元に受取らずに再投資することで、投資元本を雪だるま式に増やす方法です。
金融庁の「人生100年時代における資産形成」によると、日米の家計金融資産増加率は1998年からの20年間でアメリカが2.7倍、日本が1.4倍となっています。この増加率のうち、運用リターンによる要因がアメリカは2倍であるのに対し、日本はわずか1.2倍です。
いかに運用することが、老後資金を形成する大事な要素かを示している結果と言えるのではないでしょうか。
まとめにかえて
「ゆとりある老後生活」のためには、多くの資金が必要になることに驚かれた方もいることでしょう。
ただ本日紹介したことは、あくまでも最新の資料をもとにした一般論です。老後資金の準備には、自分に合った資金計画や運用方法を見つけることが重要になってきます。
まずは、自分自身に合った最適なプランを見つけるために、お金の専門家に相談するところから始めてみてはいかがでしょうか?
参考資料
- 金融広報中央委員「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」
- 金融審議会「市場ワーキング・グループ第21回(厚生労働省提出資料)」
- 公益財団法人生命保険文化センター〈「生活保障に関する調査」/令和元年度〉
- LIFULL介護「老人ホームの費用相場」
- 金融庁「人生100年時代における資産形成」(平成31年4月12日)
佐藤 雄基