高齢夫婦無職世帯（夫65歳以上、妻60歳以上を想定）

  • 実収入（主に年金)：20万9198円
  • 実支出（主に食費）：26万3718円
  • 月々の赤字額＝およそ▲5万5000円

老後必要額＝▲5万5000円×12ヵ月×30年（老後30年と仮定）＝1980万円（約2000万円）

以上が2000万円の内訳となりますが、このモデルケースは必要最低限の生活を想定しているため、必ずしも「ゆとりある老後生活」とは言えないようです。

例えば、上記の計算式に介護費用は含まれていません。

LIFULL介護の「老人ホームの費用相場」をもとに、老人ホームを利用した場合の費用を計算してみると、平均入居期間の5年間でサービス付高齢者向け住宅は約1000万円、有料老人ホームで約1900万円かかる計算になります。

また、公益財団法人生命保険文化センターの「生活保障に関する調査（令和元年度）」によれば、老後ゆとりある生活を送る場合の生活費は月36万1000円という結果も出ています。

この36万1000円を先程の計算式に当てはめてみると、老後30年間で必要となる資金は約5400万円にも上ります。

将来、どの程度の介護が必要になるか、また“ゆとり”の定義は人それぞれですが、現状の50代の貯金額では「ゆとりある老後生活」を送るのはなかなか難しいと言えるかもしれません。

「ゆとりある老後生活」のために対策を

それでは、今50代の方が「ゆとりある老後生活」を目指すにはどうすれば良いのでしょうか。

まず、思いつくのが「貯金を増やす」ことだと思います。

しかし、日本はゼロ金利状態が続いており、例えば30年間で6000万円を作ろうとすると、月々16万6000円程を30年間欠かさずに貯金をする必要があり、あまり現実的ではありません。