新型コロナウイルスの感染拡大により、この1年で日常生活のあり方が急速に変わっていきました。コロナ禍は世代に関係なく大きな影響を与えていますが、特に昨春、3カ月に及ぶ臨時休校措置があった小学生から高校生は、「思うように外遊びができない」「給食を食べる時は私語厳禁」「部活動が縮小」など、制限されることが格段に増えました。
社会の変容期に直面する子どもたちは、自分の将来についてどう考えるようになってきたのでしょうか。第一生命保険株式会社が1989年以降、毎年行っている「第一生命『大人になったらなりたいもの』アンケート」の結果をみると、コロナ禍の影響が少なからず出ているようです。
時代を反映する「将来の夢」
子どもの将来の夢は、時代の流行を反映します。男の子にはその傾向が強く、1989年の第1回から1992年まで1位だった野球選手は、Jリーグ開始の1993年に首位を明け渡しています。しかし、その後は大リーグで大活躍をする野茂英雄選手やイチロー選手の影響で野球選手が首位に返り咲いています。
2002年の男の子の1位は科学者や博士になりましたが、これは同年に日本人ノーベル賞受賞者が2人も出て(物理学賞の小柴昌俊氏、化学賞の田中耕一氏)、日本中がお祝いムードに包まれたことが影響したといえます。
このように、男の子の「大人になったらなりたいもの」はその年の話題の中心になる職種が上位にランクインすることが多い一方で、女の子は「食べ物屋さん」「看護師」「保育園(現在は保育士)・幼稚園の先生」が上位を占めることがほとんどです。