「暗記ドア」で特に効果が高い場所が「トイレ」です。クイズに答えないとトイレに入れませんので、危機感とともにより必死で覚えるようになるはずです。テスト前などで急いで覚える目的なら、ドアの内側にも貼っておいて、問題に答えられないとトイレから出られない……というのも面白いかもしれませんね。
お子さんだけでなく、親も一緒になって英単語や漢字のクイズなどを自分用につくり、家族みんなで楽しむと、さらに盛り上がりが増すはずです。
何度も何度も書いて覚える「くり返し学習」。じつは、定着しない?
勉強でもスポーツでも「定着」をめざし、くり返し学習やくり返し練習をすることがよくあります。しかし、じつは最新の科学ではこの「くり返し学習」だけでは効果が高くないことが証明されています。
2020年に発売された『子育てベスト100 「最先端の新常識×子どもにいちばん大事なこと」が1冊で全部丸わかり』(ダイヤモンド社/加藤紀子著)では、「心理学の研究によると、やみくもにくり返せばよいというわけでもない」と説明されています。
具体的には、くり返し学習をする際に「単調な反復をしないこと」が重要だといいます。
私も小学生のころに、何度も何度も漢字の書きとりをしましたが、同じ漢字をくり返し書いたところでなかなか記憶には定着せず、苦痛でしかありませんでした。
これは心理学で「流暢性の罠」と呼ばれるそうですが、“書き方がすぐに思い出せるほどやった”ということが逆に脳を油断させ、結局すぐには思い出せなくなる罠に陥るのだそうです。
くり返し学習を効果的にするには、「変化をおり交ぜる」「少し負荷を上げる」の2つのポイントが重要だといいます。反復練習のなかにに少し変化を加えた課題を混ぜると、学習能力がアップして記憶も定着するという研究結果もあるそうです。
問題に応じて解き方を変える必要があるので手間は掛かりますが、実際に試験を受けるときはほとんどが初めて見るような問題ですから、変化があったほうがよさそうですよね。