Dには結婚してから20年以上専業主婦の妻と、県外の大学に通う10代の娘がいて、娘には毎月5万円の仕送りをしていました。Dは仕事熱心なものの自営業の売り上げが下降気味のため融資を受けていましたが、返済がキツイとの相談があり、以下のような対処法をアドバイスすることに。

  • 国民保険料や固定資産税など税金類の分納を所轄の役所・税務署に相談する。
  • すべての借入先を紙に書き出し、毎月支払える額を計算して借入先に連絡。できるだけ計算した金額で支払えるよう調整してもらう。
  • 自営業のかたわら、スキマ時間でできるバイトを探して働く。
  • 妻と娘にも働いてもらい、娘への仕送りはナシにする。

Dはすぐにアドバイスを実行。1)税金類の分納が認められたこと、2)真面目に借金返済していたことが評価され、借入先が月々の支払いを調整してくれたこと、3)家族一丸となって収入を増やし、月々10万以上を支払いに回せるようになったことで、借金人生から脱出する足がかりを掴んだのでした。

おわりに

この記事で紹介した4つのケースからもわかるように、「お金がない」と自覚する時期や「自覚した後の行動」によって、その後の人生が大きく分かれてしまいます。

手元にあるお金を含む資産が減ってきていると感じたら、生活レベルを見直し、支出を抑える方法とともに収入を確保できる方法を模索することが肝要。カードローンやキャッシングを含む借金を作ってしまうと、支払いのためにお金を借りる自転車操業に陥る可能性が高いので、特に注意が必要です。

山内 良子