一方、スシローは、“第3波”の影響で客数を落としながらも客単価の2桁増で補い、売上高を前年水準でキープしています。これは、すでにコロナに翻弄されずに事業展開を進めるための術を獲得したことを意味するのかもしれません。

では、そんなスシローを運営するFOOD & LIFE COMPANIES(3563)の事業内容と、近年の業績の推移を確認してみましょう。

コロナ禍に遭っても攻めの経営スタンスを堅持

FOOD & LIFE COMPANIESは、直営方式により回転寿司チェーンを展開する、業界トップの企業です。

店舗は国内586店舗、海外38店舗の計624店舗 (2020年9月期末時点)。国内店舗数はくら寿司の521店舗(2020年10月末時点)の1.2倍ですが売上高は1.5倍と、1店舗当たりの規模・売上高が大きいことが分かります。

また、近年の業績も好調です。2018年9月期から2020年9月期まで、3年間の推移を確認してみましょう。

売上高は、1748.8億円⇒1990.9億円(前年比13.8%増)⇒2049.6億円(2.9%増)と伸び続けており、利益面では営業利益が117.2億円⇒145.5億円(24.1%増)⇒120.6億円(▲17.1%)、当期利益は79.9億円⇒99.6億円(24.6%増)⇒64.6億円(▲35.2%)と推移しています。

店舗数の拡大が増収につながっており、各期末時点での店舗数は国内外合わせて525店舗⇒566店舗⇒624店舗。コロナ下の2020年度後半も出店の手を緩めることはありませんでした。良質の食材にこだわり「寿司ネタで選ぶならスシロー」とユーザーから高く評価されているスシロー、新店の集客はうまくいっているようです。

そしてコロナ禍に見舞われた2020年9月期は、通期では減益となったものの、過去最高売上を記録して増収を維持しました。