成長への “手段”は揃った。来期は活用力が試される

2021年2月期の通期業績については、3月15日に上方修正を発表しており、売上高5426億円、営業利益380億円、当期純利益262億円を見込んでいます。修正前の予想水準であっても、4年ぶりの増収増益になります。

また今年に入り、しまむらは新本社ビルをJRさいたま新都心駅近くに完成させ、隣接する商業棟に旗艦店となる大型の「ファッションセンターしまむら」および「アベイル」「バースデイ」の新店舗をオープンしました。

ここをマーケティングの基地として短期生産の仕組みをフル活用し、顧客ニーズに即応した商品供給を狙っているのでしょう。昨年10月には自営のネット通販サイトも立ち上げ、2021年2月期中に売上規模10億円を目標にしています。

安くてトレンド感のある商品でさらに若い客層を取り込み、ネット&実店舗で相乗効果をどう出していくかが、今後のカギとなるのではないでしょうか。

まとめ

近年業績の低迷が続いていたしまむらは、コロナ禍の中で商機をつかみ、商品政策や販促、効率的な在庫管理をうまく連動させて増収増益を達成する見通しとなりました。

2021年2月期の通期決算発表は、4月5日です。今後を占う意味でも、ネット通販の売上げ動向などは要注目でしょう。

参考資料

山口 伸