全盛期がウソのような前年割れが続く

しまむらは、「ファッションセンター しまむら」をはじめ、カジュアル&シューズの「アベイル」、ベビー・子供用品の「バースデイ」など、国内外で約2200店舗のチェーンストアを展開しています。

2020年2月期末の店舗数は、しまむら1432店舗、アベイル319店舗、バースデイ297店舗。売上高は4015億円、500億円、540億円で、売上高の8割近くがしまむら事業によるものです。

続いて、2018年2月期から2020年2月期まで、3年間の業績推移を追ってみましょう。

売上高は、5651億円(前年比▲0.1%)⇒5460億円(▲3.4%)⇒5220億円(▲4.4%)と次第に減少幅が広がり、利益面では営業利益が429億円(▲12.1%)⇒255億円(▲40.7%)⇒230億円(▲9.7%)、当期純利益が297億円(▲9.6%)⇒160億円(▲46.2%)⇒131億円(▲17.9%)と大幅減益が続いています。

業績悪化はメインであるしまむら事業の不振によるものです。2019年2月期はセール企画で思うような集客ができず、客単価の低下で売上が伸びませんでした。さらに売れ残り商品が翌年度の新規仕入れを妨げ、販売機会ロスを発生させてしまいました。

ただし近年の業績悪化は、2016年から行った商品アイテム数の絞り込みが、しまむらの魅力であった“宝探し”感を損ね、客離れの原因になったとも指摘されています。アパレルECの台頭も影響しているかもしれません。

減収に伴い、売上総利益の落ち込みが最終利益を圧迫しました。2020年2月期には不採算店舗の減損損失も減益要因となりました。

コロナ禍による消費者の出控えが転機に

3期連続での減収減益でしたが、コロナ禍の2020年、突如として業績は回復基調に変わります。

直近の2021年2月期 第3四半期累計(2020年2月21日〜11月20日)の売上高は4045億円(前年同期比2.6%増)、営業利益は312億円(64.5%増)、四半期純利益は216億円(70.5%増)。