なお、金融資産とは預貯金や株式などの有価証券、投資信託、生命保険のことで、そのうち預貯金については「運用目的」で蓄えているものと本調査では定義されています。

※2020年調査は、新型コロナウイルス感染拡大を踏まえて、例年と調査時期、調査方法が異なります(①調査時期:例年は6~7月であるが今回は8~9月、②従来の「訪問調査」を取り止め「郵送調査」のみとした)。

金融資産残高が増加した理由

金融資産保有世帯のうち、1年前と比べ金融資産残高が「増えた」と回答した世帯の増加理由をみると、二人以上世帯では、多い順に以下のようになっています。

  • 「定例的な収入が増加したから」(39.9%)
  • 「定例的な収入からの貯蓄割合の引き上げ」(29.9%)
  • 「株式・債券価格の上昇による評価額の増加」(11.4%)

定期的な収入額を自分でコントロールすることは容易ではありませんが、コロナ禍による将来への不安感から財布の紐を固くした人も多かったのでしょう。

また一方では、今年2月には日経平均株価が約30年ぶりに3万円台を回復して大きな話題になりましたが、こうした市場の変化からの恩恵を受けた人も少なくなかったようです。

近年は「つみたてNISA」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」の登場で、少額から株式や投資信託などの金融商品を購入しやすくなっているという点も影響しているのかもしれません。