「2階建て構造」などと呼ばれる、日本の年金制度。私たちが老後に受け取る年金は、加入していた年金制度により異なります。
厚生年金保険の加入者であるサラリーマンや公務員の場合、老後は2階部分の「厚生年金」を上乗せして受給できます。
一方、国民年金に加入している自営業やフリーランス、専業主婦(夫)が老後に受け取る年金は、1階部分の「国民年金」のみ。
サラリーマンや公務員とは違い、「上乗せ部分」の年金はありません。
そして、国民年金・老齢年金を満額もらった場合でも約78万円。月額にすると6万円台です。
「老後資金としてはちょっと少ない…」と感じてしまうのは自然なことでしょう。
国民年金・老齢年金の収入だけでは不安を感じる場合、コツコツと貯蓄で備えることはもちろん、年金受給額を増やすための制度も積極的に活用していきたいものです。
そこで今回は、『国民年金「少しでも多くもらう」ための3つの方法』と題して、国民年金に加入するみなさんの老後の安心感につながる情報を整理していきます。
まず、国民年金の「上乗せ年金」とも呼べる2つの制度をご紹介していきます。
「国民年金基金」に加入する
「国民年金基金」は、国民年金(老齢基礎年金)に上乗せできる公的な年金制度です。
「国民年金第1号被保険者」または「任意加入被保険者」(65歳以上を除く)に該当する人が加入できる制度です。
「国民年金基金」制度のポイント
- 掛金…「性別・年齢」によって決まります。
- 年金額…老後受け取る年金額は加入月数で確定されます。
加入口数を増やすことができますが、毎月の掛金の限度額は6万8000円です。掛金が全額所得控除の対象となり、所得税や住民税が軽減されます。
老後に受け取れる年金額があらかじめ確定しているという点は、マネープランを立てる上での大きなメリットといえるでしょう。
「iDeco」を活用して、自分で年金を作る
次にご紹介するのはiDeCo(個人型確定拠出年金)。
「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」は、ひとことでいえば、自分で運用を行いながら年金を準備するための制度です。
「60歳までは原則お金を引き出せない」「開始年齢が遅くなると運用益が思うほど出ない」といったデメリットもありますが、掛金が全額所得控除の対象になる、運用益が非課税になる、老後受け取る際にも所得控除が受けられる、といった節税効果があります。
「国民年金基金年金」&「iDeco」を比較・整理
さて、国民年金加入者の方の中には、「国民年金基金」や「iDeCo」。どちらの手段にしようか、悩む方もいらっしゃるでしょう。
「国民年金」「iDeCo」ともに、掛金の全額が所得控除の対象となり、住民税や所得税の軽減につながります。
では、それぞれの違いやポイントを整理してみましょう。「全国国民年金基金」ホームページ「国民年金基金とiDeCoとの違い」を参考にみていきます。
国民年金基金
・掛金は、加入時の年齢やプランによる
・基本終身年金
・開始年齢は原則65歳(プランによっては60歳から)
・運用指示は不要
【ポイント】
- 掛金は全額所得控除の対象となる
- 年金額は納付した掛金の額や納付期間に応じて決まる
- 受け取る年金額が事前に把握できる。
iDeCo
- 掛金は、月額5000円以上1000円単位
- 基本有期年金
- 受け取り開始年齢は60〜65歳(加入期間によって異なる)
- 運用指示が必要
【ポイント】
- 自分で掛金を拠出して運用する
- 金融機関や商品は自分で選択する
- 運用金額に応じて、60歳以降に受給できる
国民年金基金とiDecoの併用は可能ですが、両方合わせた年間の掛金の上限は81万6000円までとなっています。
「付加保険料」の納付
最後にご紹介するのは「付加保険料」の納付です。
これは、月額400円を支払っておくことで、将来受け取る老齢基礎年金の受給額が増える制度です。
「国民年金第1号被保険者」または「国民年金の任意加入被保険者」(65歳以上の方を除く)に該当する方は、毎月の年金保険料に加えて「付加保険料」を支払うことができます。
※「第1号被保険者」…日本に住んでいる20歳以上60歳未満の自営業者(フリーランス)や農業・漁業者、学生や無職の方、その配偶者の方のこと。厚生年金保険や共済組合等に加入している方は除きます。
※「任意加入被保険者」…保険料を納める期間や加入者である期間が短いなどの理由から、60歳以降も国民年金に任意で加入する方のこと。
付加保険料を納めた場合、65歳以降に受け取れる「付加年金額」は、「200円×付加保険料納付月数」から算出できます。
例えば…「20~60歳の40年間納めた場合」
付加保険料の納付総額:19万2000円(400円×12カ月×40年)
付加年金額(年間):9万6000円(200円×12カ月×40年)
となり、毎年の年金受給額を9万6000円も増やすことができるのです。
【注意点】
国民年金基金の保険料に付加保険料相当が含まれているため、国民年金基金と付加年金の併用はできません。付加保険料の納付をしている方が国民年金基金に加入する場合は、付加保険料納付の停止手続きが必要です。
さいごに
『国民年金「少しでも多くもらう」ための3つの方法』と題して、老後に受け取れる年金額を増やす工夫についてお伝えしてきました。
ここから先は国民年金・厚生年金どちらに加入の方にも共通するお話となりますが…
人生100年時代はすぐそこまで来ています。
長い老後生活を、公的年金だけを頼りにするというマネープランではいささか心もとないといえるでしょう。
長い将来を見据えたお金の準備は、できるだけ早めにスタートしておきたいものです。
「老後資金ってどうやって準備していけばいいの?」「自分に合ったお金の増やし方を知りたい」なんて思ったときには、一度お金のプロのアドバイスを受けてみるのもよいでしょう。
あなたのライフスタイルに寄り添う、オーダーメイドの「お金の育て方」が見つかるきっかけになるかもしれません。
参考記事
- 厚生労働省年金局「令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況(令和2年12月)」
- 日本年金機構「付加保険料の納付のご案内」
- 「全国国民年金基金 公式HP」
- LIMO「就職氷河期世代が、後悔しない資産運用とは何か」
- 全国国民年金基金「国民年金基金とiDecoの違い」
