森喜朗氏の女性蔑視発言で起きた東京五輪の迷走。昨年からの一連のコロナ禍対応への疑問…。2021年は、色々な問題が浮かび上がってくる年になる気がします。最近は「もはや日本は先進国ではない」という論調も徐々に表れている印象があります。
それは、ちょっとまだ気が早いとも思うのですが、立ち止まって考えることが必要な時期なのかもしれません。今回のテーマは「空気は読めるけど本質が見えない日本人」。できる限り、本質的に考えてみたいと思います。
終身雇用の本質は「賃金の後払いシステム」
一例として日本の終身雇用&年功序列を考えてみます。経団連も「もう終身雇用はムリだ」と発言していますし、制度としてはもはや「絶滅危惧種」なのかもしれませんね。思えば、終身雇用、年功序列、そして企業別組合が、日本の高度成長を支えた経営の三種の神器と呼ばれていたものです。
では、終身雇用&年功序列の本質とは何だったのでしょうか。これは、ズバリ「賃金の一部・後払いシステム」だと思います。
若い時はともかく、低賃金でも我慢に我慢を重ねる。年齢を重ねれば、会社で我慢をしていれば、地位も賃金も上がって必ず報われる。これは、現在40代後半以上の方々なら、子供の時から肌感覚で刷り込まれていると思います。自分も含めて、昭和に育った子供たちは、そんな圧のなかで成長してきたのです。