とっても元気だったバウアー
バウアーはとても可愛く元気でした。
この頃はまだ散歩に行けないので、体力が余ってしまい毎日深夜2時3時まで起きて遊ぶような子でした。
最初のうちは寝不足になりながら、それでも楽しく過ごしていました。
この頃から食べることにムラがある子で、便に関しても軟便が多い子でした。
病院に行った際に相談もしましたが、病院の先生は「特段気にすることはないよ」と言っていました。
その後は順調に成長していき、ワクチン接種も完了。ついにお散歩デビューとなりました。
初めてのお散歩は、たまたま風が強い日でとても怖がっていたことを思い出します。
バウアーは誰に似たのか普段からおとなしく、吠えることも滅多にありませんでした。
柴犬といえば攻撃的だと勘違いされている方も多いですが、バウアーは攻撃性も全く無く、よその犬に吠えられても何もやり返さない、そんな穏やかな子でした。
バウアーを迎えてから、私には一つだけこだわりがありました。
私が仕事の日、バウアーはひとりでお留守番になってしまいます。
どんなに疲れて帰ってきても、バウアーが眠りにつく前に、今日も1日楽しかったと思えるようにしてあげていました。
クタクタになって帰宅しても、バウアーが満足するまで散歩に行き、満足するまで必ず遊んであげました。
疲れていたり嫌なことがあったりしても、バウアーと遊び、純真無垢に喜んでいるバウアーを見ていると、自然と疲れも嫌なことも吹き飛んだものです。
わたしもバウアーに沢山のパワーをもらっていたのですね。
体調不良がバウアーを襲う
あっという間に一歳半が過ぎたある日、初めて便が水状のことがありました。
すぐに病院に連れて行きました。整腸剤をもらってすぐに元気になったのですが、2歳の誕生日を迎えるころ、この水状の便が頻繁に起こるようになりました。
病院に行けば、抗生剤と整腸剤が処方され、その整腸剤が便に白い塊として出てきてしまうようになりました。
「これはただごとではない」そう思ったのですが、当時通っていた大阪の病院では「検査をするほどではない」との診断しかでませんでした。
ちょうどその頃、私は仕事の都合で実家のある埼玉に帰ることになっていました。
バウアーの体調のこともあり、会社にお願いをして埼玉に帰る日を前倒しにしてもらうことになりました。
ただ実家に帰ってくる頃には体重が1ヶ月で3キロも落ち、明らかに痩せ細っていました。
実家に帰った翌日、近所で評判の動物病院に行ってみることにしました。
その日は血液検査だけを行いましたが、血液検査の結果アルブミンの値が1.7しかない状態でした。
「健康なワンちゃんの場合このアルブミン値は2.9以上あるものです。1.7というのは異常な数字で、命の危険もあります」と言われました。
一週間後には超音波検査をする予定になり、「ひとまず今、命の危険があるのでステロイドを処方しましょう」と言われステロイドを飲ませました。
するとすぐに下痢は治まり、食欲も旺盛になりました。
そして一週間後、超音波検査をしたのです。
超音波検査の結果先生は「炎症性腸疾患であるだろう」と診断しました。初めて聞く病気だったのでとても不安に感じたのを覚えています。
治療方法はステロイドと免疫抑制剤(シクロスポリン)の処方で対処療法を行っていくことでした。