テレワークでみえた「格差と限界」 実は恐ろしい世界が待っている

非正規雇用のテレワークは進んでいない

次に非正規雇用のテレワークの実態をみていきます。正社員のテレワーク実施率が24.7%であるのに対して、非正規雇用の実施率は15.8%。その差は8.9ポイント。4月調査時点(4月10日~12日)の10.9ポイント差からは改善されましたが、やはり格差があるようです。

これも5月調査(5月29日~6月2日)では7ポイントの差まで改善されていたのですが、やはり揺り戻しが起きているようです。

非正規雇用のテレワークが進まない要因としては、派遣契約の改定や、セキュリティポリシー(派遣社員のPC持ち出し禁止)、派遣社員の労務管理などがあげられます。やはり正規雇用と非正規雇用という制度の違いがテレワークの進捗を阻害していると考えられます。

続いてテレワークの「地域別」「年収別」の差を見ていきます。こここからは昨年12月に調査がおこなわれた内閣府の調査結果を参照します(令和2年12月24日発表)。

同調査によると、東京23区内の12月のテレワーク実施率は42.8%。これに対して地方圏では14%。就労者の年収別では700万円~1000万円未満が41.2%、1000万円以上が51.0%。ちなみに300万円未満では12.7%。見事なまでに年収と比例していることがわかります。

ここまでを見るとテレワークが「大企業」×「都市部」×「高収入層(正社員)」で進んでいることがよくわかります。これは多くの人々がもっている実感と、ほぼ重なるのではないでしょうか。

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執筆者
  • 榎本 洋
  • 編集者・ライター(フリー)

東京都出身。元会社員。成蹊大学経済学部卒業後、バブル期に広告企画制作プロダクションのフロムガレージ(現DGグループの前身)に入社。その後、転職を繰り返しながら、主にBtoB企業のプロモーション企画制作に従事。また編集プロダクションで書籍・ムックの編集・ライティングに携わる。近年では、LCA関連の環境ラベル「CFP(カーボーンフットプリント)」の制度試行事業(経産省)下での広報業務にも従事。最近は、フリーの編集者・ライターとして主にIT分野を中心に活動中。主な書籍関連実績:高学歴貧困女子が読み解くピケティ』(責任編集/笠倉出版社)、『ロックの教科書』(共著/笠倉出版社)