コロナ禍が一段落すれば、懐かしの学び舎の友と同窓会で会う機会があるかもしれません。

還暦を過ぎて、友人との久々の出会い、そして旧交を温める・・・メインディッシュ(話題)は、やはり「健康と年金」でしょうか。

いつまでも若々しい同級生もいれば、先生か生徒か分からない人もいるかもしれませんね。

しかし、人それぞれなのは、見かけだけではありません。これまで形成してきた貯蓄額もまた然り。人によって様々です。

私は大学卒業後、信用金庫での勤務経験があり、FPの資格を持つファイナンシャルアドバイザーとして、多くの方のファイナンシャルプラニングに関わってきました。

そこで今回は、還暦60代の貯蓄額を見ていきながら、「貯金なし」から抜け出すコツについて見ていきたいと思います。

還暦60代の平均貯蓄額はいくらか

それでは早速、還暦60代の平均貯蓄額について見ていきたいと思います。

金融広報中央委員会公表の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯]令和元年調査結果」によると、世帯主が60歳代の二人以上世帯の平均貯蓄額と中央値(金融資産を保有していない世帯を含む)は以下のとおりです。

世帯主が60歳代の金融資産保有額 

  • 平均値:1635万円
  • 中央値:650万円

金額ごとの保有割合

  • 金融資産非保有:23.7%
  • 100万円未満:3.5%
  • 100~200万円未満:4.0%
  • 200~300万円未満:3.2%
  • 300~400万円未満:3.9%
  • 400~500万円未満:2.7%
  • 500~700万円未満:5.9%
  • 700~1000万円未満:5.2%
  • 1000~1500万円未満:9.8%
  • 1500~2000万円未満:5.8%
  • 2000~3000万円未満:9.1%
  • 3000万円以上:15.4%
  • 無回答:7.9%

中央値とは、金額が小さい人、もしくは金額が高い人から順番に並べた時、真ん中に来る人の金額です。

還暦60代の平均貯蓄額は、もう少しで2000万円に届く、1635万円。一方、中央値はその半分にも満たない650万円です。

中央値は真ん中の人の値ですから、少なくとも60代の半分の人は貯蓄が650万円以下ということになり、平均貯蓄額とずいぶん乖離が生じていますね。

平均貯蓄額は、一部の高額貯蓄者の値に影響される側面があります。一部の極端な値があると、その値につられて高くなってしまうのです。

同じ60代の貯蓄額を示すデータではありますが、平均値と中央値を比較することにより、世帯によって貯蓄額に大きな差が生じていることがわかります。

還暦60代、約4分の1が貯金なし!

さらに、この結果で注目したいところは、金融資産非保有世帯が全体の23.7%、つまりおよそ4世帯に1世帯が貯金ゼロ世帯であるという事実です。

60代といえば、会社員は退職金を受け取る年齢です。その60代世帯の約4分の1が貯金なしという事実は見逃せません。

60代になると定年退職で年金生活に入る人が多いと思います。

一般的なサラリーマンと専業主婦の世帯の場合、年金生活だと、現役時代より大幅に減収になることが想定されます。

そうなると、年金だけでは日々の生活で精一杯、生活することさえ難しくなる人が出てくるでしょう。

これは早急に対処が必要と言わざるをえません。

還暦60代が貯金なし状態から抜け出すコツ、どこにあるのでしょうか。

還暦60代が「貯蓄なし」から抜け出すコツとは

還暦60代が「貯蓄なし」から抜け出すコツは資産運用です。

60代から資産運用を始めても遅いと思う人もいるでしょう。

しかし、現代はすでに人生100年時代に突入しています。還暦をすぎて100歳まで元気に過ごせるなら、まだまだ時間はあると言ってもよいはずです。今からでも遅くはありません。

60代からでも、80歳以降の老後資金を見据えて、早急に資産運用をスタートすることを検討してみてください。

60代の人が貯蓄を増やす上で最も肝心なことは、できるだけ長く就労状態を継続すること、つまり、できるだけ長く働き続けることです。

国も高齢者の就労を後押しする政策を打ち出しています。

今年の4月から「高年齢者雇用安定法」の一部が改正・施行され、従業員が希望すれば事業主は70歳まで就労機会を確保することが努力義務化されることになりました。

「そんな年まで働きたくない!」と思う気持ちは十分分かりますが、老後生活は長くなる可能性の方が高いのです。

経済的に困らないためにも、体に無理をさせない程度に、給与収入を確保することを頑張りましょう。入ってくるお金を確保しない限り、貯蓄を増やすことはできません。

還暦60代は「毎月コツコツ積立投資」

最近は、国が後押しする税制優遇制度が話題です。イデコやつみたてニーサです。

イデコやつみたてニーサは「長期・分散・積立投資」に向いていますが、60代以降ですと、若い人のように運用に時間をかけることはできません。

毎月コツコツと積立投資をしながら、じっくり増やすことができない分、多少のリスクを取ってでも、リターンを狙うアクティブ運用を取り入れる必要があると言えるでしょう。

その場合は、つみたてニーサよりも一般ニーサの方が効果的です。

一般ニーサで選択する金融商品は、インデックスファンドを選択するより、しっかり増やせるアクティブファンドを選択するようにしましょう。

アクティブファンドは、必ず成績が良好なものを選ぶのがコツです。

投資初心者は何を選んだらよいか不明な場合もあるかと思います。その時は、IFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)などに相談して、一緒に商品を選ぶことをおすすめします。

成績が良いアクティブファンドを見極めて「毎月コツコツ積立投資」を検討してみてください。

おわりにかえて

今回は、還暦60代の貯蓄額を検証しながら、「貯金なし」から抜け出すコツについてお話ししました。

60代から資産形成をすることは決して容易ではありません。60代になると資産運用で使える手段が限られてしまうためです。

だからといって、人生100年時代が到来している今、無策のまま、老後に突入するのは非常にリスクが高いと言えます。

今回ご紹介した方法も、リスクを伴う方法ではありますが、できる限り長く運用時間を確保すること運用資産を厳選することができれば、リスクは軽減することが可能です。

60代から資産運用をスタートしたい人は、できるだけプロのアドバイザーに相談してから、資産運用をスタートすることをおすすめします。

若い人は独学で資産運用を始めて、失敗したとしても取り返す時間があります。

60代は、できればこのような事態は避けたいものです。信頼できるアドバイザーの伴走支援が必須と言えるでしょう。

最近では無料のマネーセミナーや無料の資産運用相談のサービスも充実してきました。

このようなセミナーや相談会は、信頼できるアドバイザー探しに大変効果的です。ぜひ、ここからスタートしてみてはいかがでしょうか。

参考資料