「所有者不明の土地が活用できない」問題を解決する、相続登記の義務化

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民法改正等により、相続登記等が義務化されると期待されます。所有者不明の土地が減り、国土の有効利用が可能となる、と筆者(塚崎公義)は歓迎しています。

所有者不明の土地が増加中

現在は、土地を相続しても登記することが義務付けられていません。都会の土地は、よほど相続争いでもしていない限り、相続した人が登記して自分の所有権を主張するのが普通でしょうが、山間部等の土地は登記して所有権を主張するメリットが小さい一方で、登記には手間と費用がかかるので、登記せずに放置する相続人も多いようです。

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その結果、各地に「明治時代に死んだ先祖が登記名義人となっていて、現在の所有者を探すためには何十人もの子孫を探し出して聞き取り調査をする必要がある」といった土地が増えているとのことです。

これまでは、生まれ育った土地で暮らしている人々が相続した親の不動産を登記しなかったという事例が多かったのでしょうが、今後は戦後の人口大移動の影響で引越し先がわからない所有者が増えてくることが懸念されます。

高度成長期に農村から都会に出てきた「金の卵」たちが数十年後に親の遺した農地や山林を相続するインセンティブは大きくないでしょうから、登記されない土地が「耕作放棄地」等となっていくのでしょう。

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執筆者
塚崎 公義

1981年 東京大学法学部卒業、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。おもに経済調査関連業務に従事した後、2005年に退職し、久留米大学へ。現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と関係なく個人として行なっているため、現職は経済評論家と表記したものである。【近著】なんだ、そうなのか! 経済入門』『老後破産しないためのお金の教科書』『経済暴論: 誰も言わなかった「社会とマネー」の奇怪な正体』『一番わかりやすい日本経済入門』『日本経済が黄金期に入ったこれだけの理由【雑誌寄稿等】Facebook、NewsPicks、アメブロ等にて適宜ご紹介