「誰が所有者であるかが登記されていて、活用したい人が所有者から土地を買ったり借りたりできる」ことは重要です。山林や農地として有効に活用されるためにも重要ですが、高速道路を作りたくても用地買収の交渉を誰と行えばよいのか不明だ、ということでは困りますから。
所有者の住所変更により、登記簿上の所有者は存命なのに所有者と連絡が付かない、といった事例も多いようです。これも、結果として同様の問題を引き起こしているわけですね。
相続等の登記が義務化されると期待
法制審議会(法相の諮問機関)は2月10日、相続や住所・氏名を変更した時に土地の登記を義務付ける法改正案を答申しました。 罰則付きなので、今後は所有者不明の不動産は減っていくと期待されます。
すでに発生している相続についても、何らかの措置が採られるならば、所有者不明不動産は急激に減っていくかもしれません。そうでなくとも次の相続の際には登記されるでしょうから、所有者不明不動産が増加傾向から減少傾向に転じると期待されるわけです。
加えて、登記費用等と比較して地価が安い土地等については、相続人が困らないように、不動産について相続を放棄して不動産を国有化してもらうという制度も作るようです。これにより、地価の極めて安い不動産は国有化が進んで行くことでしょう。その方が、治山治水等々の事業がやりやすい、といったメリットもありそうです。