古希を迎え70代がいよいよスタート、会社勤めから開放され、旅行や趣味に熱中できる日々を過ごしている人も多いかと思います。
一方で、年金生活がスタートしてから数年経ち、生活への不安が頭をよぎり始める人も・・・。
貯金を切り崩しながらの年金生活はいつ終わるとも分かりません。加齢とともに健康への不安も増してきます。
健康を損なったとき、自分はどうなるのか、お金は大丈夫か・・・不安に思うのも当然です。
私は大手生命保険会社でマネープランニングのアドバイザーとして、あらゆる年代のお客様、約1000人以上とお話しをしてきました。
その中でも、特に70代のお客様は、年金や貯金への不安を口にされるお客様が多かったように記憶しています。
本日は、古希を迎えた70代の貯金額を検証し、特に「貯金ゼロ世帯」の割合はいくらかについて、見ていきたいと思います。
古希を迎えた70代、平均貯蓄額はいくらか
2019年6月に話題となった「老後2000万円問題」を覚えていますか。
年金収入だけでは毎月の生活費が不足し、その総額は単純計算で2000万円になるというものでした。
この「2000万円不足する」という結果は、モデルケースによる概算ではありますが、古希を迎えた70代は2000万円もの貯蓄を保有しているのでしょうか。
では、実際に金融広報中央委員の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世論調査](令和元年)」から、70歳以上の平均貯蓄額と中央値(金融資産非保有世帯を含む)を見ていきましょう。
世帯主が70歳以上世帯の金融資産保有額
- 平均:1314万円
- 中央値:460万円
中央値とは、貯蓄額を少ない順、あるいは大きい順に並べた時、全体の真ん中にくる人の金額のことを指します。
平均値は、貯蓄が極端に多い一部の人の値に左右されますので、中央値の方がより実態を反映しているといえます。
平均値は1314万円となっていますが、驚くべきは中央値の460万円という結果です。
これは、70代以上の半分の人が460万円以下の貯金額であることを示しています。
ここでいう「金融資産」とは、預貯金以外に生命保険や有価証券などの金融資産も含まれています。
つまり、考えられる通常の金融資産は、この平均貯蓄額や中央値に全て含まれているわけです。
いつまで続くかわからない老後に、この金額で対処しないといけないのは大変心配な状況です。
古希を迎える70代、貯金ゼロの割合はいくらか
前ページと同資料により、70代以上が保有する貯金額の分布も見ていきます。いくらの資産をどれだけの人が保有しているのでしょうか。
下記の表をご覧ください。
- 金融資産を保有していない:31.1%
- 100万円未満:3.4%
- 100~200万円未満:2.8%
- 200~300万円未満:3.5%
- 300~400万円未満:3.7%
- 400~500万円未満:1.9%
- 500~700万円未満:6.2%
- 700~1000万円未満:6.4%
- 1000~1500万円未満:8.2%
- 1500~2000万円未満:6.0%
- 2000~3000万円未満:8.4%
- 3000万円以上:11.1%
- 無回答:7.2%
中央値が460万円となっていますので、500万円以下の割合を合計してみます。実に46.4%の人が500万円未満のゾーンに入ります。
さらに、6割までが1000万円までに入り、残りの4割は1000万円以上となります。ただ無回答の人が7%いますので、この割合が前後する可能性はあります。その分は割り引いて考えてください。
驚くべきは「貯金ゼロ」世帯の割合が31.1%となっていることです。70歳代以上の世帯の約3分の1が貯蓄を保有していないと回答しています。
これは、貯金ゼロのまま老後生活を送っている世帯が、3割以上も存在していることを示しています。
70歳代以上の世帯では、かなりの貯金格差が生じていると言えそうです。
60代、70代以降を生き抜くコツとは
ゆとりのある老後を過ごしたいと多くの人が願っているのは間違いないでしょう。
しかし、現実は決してそのようにはいかないこともあると、前項の資料よりわかりました。
70代となってしまっては、大変心苦しいことですが、劇的に生活を改善させることは非常に難しいと言わざるを得ません。
まだ老後を迎えていない世代の人を含め、ぜひこのことを念頭において、60代、70代以降を生き抜くコツをつかんでいただきたいと思います。
具体的には下記のことを検討されることをおすすめします。
60代、70代以降を生き抜くコツその1:年金の繰り下げ受給
近年は国も定年後を過ぎて働くことを後押ししており、年金制度もそれに合わせて制度改正しています。年金の受給開始年齢の繰り下げもその一つです。
受給開始年齢を繰り下げるほど受給額も増額されますし、繰り下げ期間も75歳までに延長されました。60歳あるいは65歳以降のライフプランを計画する際に、その点も踏まえて考えておくとよいでしょう。
60代、70代以降を生き抜くコツその2:資産運用の検討
資産運用を検討することもおすすめです。
国の税制優遇制度であるつみたてニーサやイデコなどを活用するのもよいでしょう。
コツコツと積み立てる長期運用に適した保険商品や投資信託を選ぶことができますので、初心者でも安心してスタートすることが可能です。
もう既に老後を迎えているという方は、若い方と同じ用に運用をスタートすることはできませんが、それでもやらないよりはマシです。早めにスタートを切るようにしましょう。
また現在、投資を始めている70代の人は、何かあったときに焦って一度に解約をすることは避けたほうがよいかもしれません。
商品にもよりますが、基本は入用額に応じて解約するのがベストです。投資はできるだけ長く行った方が、リターンやリスクが安定するからです。
いずれにしても、自分で資産運用の情報収集をするのは大変ですので、金融の専門家に、一度相談してからスタートするのがポイントです。
金融商品の仕組みは複雑で、商品自体も数が膨大にあります。その中で、成績のよい商品や長期投資で成果が出せるものを自分で選んで、決断することは大変難しい作業です。
経験豊富で信頼できるIFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー〉やFP(ファイナンシャル・プランナー)に相談し、いつでも相談できるようにしておけば、何かあったときでも安心ですね。
まとめにかえて
70代になれば、ようやく年金生活にも慣れて、生活のリズムが定着してきた頃からと思います。
元気なうちにやりたいことをやり、食べたいものを食べて、思う存分、生きたいと思うのは当然のことかと思います。
お金で全てが解決することではないかもしれませんが、お金は日々の生活に役立つものであることは間違いありません。
若い方は、ぜひとも資産運用の検討を始めることをおすすめします。
老後を迎える方も同様です。人生100年時代ですから、60代、70代と言っても、まだまだ運用する期間は残されていると言えます。
とはいえ、その残された時間は日々減っていきます。これはどの年代の人にとっても同じことです。
アドバイザーに相談するのはハードルが高いと思う人は、短時間のオンラインセミナーなどもあります。まずはこのようなセミナーを活用してみるのも良いかもしれませんね。
