2025年も7月を迎え、日中の日差しが次第に強くなる季節となりました。夏の到来と同時に、多くの人が自身のライフプラン、特に老後の生活資金について考えを巡らせる時期かもしれません。
現在の日本では、物価上昇が続いており、公的年金がどれくらい頼りになるのか、関心が高まっています。日本の公的年金制度は複雑に見えるかもしれませんが、ご自身の将来のためにその仕組みを理解しておくことは非常に重要です。
2025年度の年金額は前年度から1.9%引き上げられ、さらに2025年6月13日には、年金制度の機能強化のための改正法が成立しました。これらの変更は、私たちの年金受給に直接影響を及ぼす可能性があります。
この記事では、そんな公的年金制度の基本的な構造をわかりやすく解説し、最新の年金額、そして各年代が実際にどれくらいの年金を平均で受け取っているのか、具体的なデータをもとに検証してみませんか。
1. 2025年 年金支給日カレンダー
私たちの暮らしとは切り離せない大切なライフラインである「公的年金」は、2か月に一度、原則として原則として偶数月の15日に支給されます(15日が土日・祝日の場合は直前の平日に前倒し)。
《2025年》年金支給日:支給対象月
- 2025年4月15日(火) :2月・3月分
- 2025年6月13日(金) :4月・5月分
- 2025年8月15日(金) :6月・7月分
- 2025年10月15日(水) :8月・9月分
- 2025年12月15日(月) :10月・11月分
このように、前月までの2カ月分の年金がまとめて支給されます。
2. 公的年金は2階建て
日本の公的年金制度は、1階部分にあたる「国民年金」と、2階部分にあたる「厚生年金」から成り立っており、「2階建て構造」といわれています。
2.1 《1階部分》国民年金(基礎年金)
- 加入対象者は?:原則として日本に居住する20歳以上から60歳未満の全員(職業・国籍は問わない)
- 年金保険料は?:全員一律(ただし年度ごとに改定あり)(※1)
- 老後の受給額は?:全期間(480カ月)納付すると65歳以降に満額(※2)を受給できる(未納期間分に応じて満額から差し引かれる)
※1 国民年金保険料の月額:2025年度 1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の月額:2025年度 6万9308円
2.2 《2階部分》厚生年金(※国民年金に上乗せして加入)
- 加入対象者は?:会社員や公務員、一定要件を満たすパート・アルバイトの人
- 年金保険料は?:報酬(賞与・給与)に応じて計算される(上限あり※3)
- 老後の受給額は?:加入期間や納めた保険料により、老後の受給額には個人差が出る
現役時代、働き方や立場に応じて「国民年金のみに加入する人」「国民年金に厚生年金を上乗せして加入する人」に分かれます。
厚生年金の加入期間がない人の場合、老後に受け取る年金は「国民年金のみ」となります(※4)。厚生年金に加入していた人の場合は、老後に受け取る年金は「国民年金+厚生年金」です。
※3 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される。
※4 受給資格期間(保険料納付済期間と保険料免除期間などの合算)が10年以上ある場合、65歳以降で受給できる。
今のシニア世代が実際に受け取っている年金額について、厚生労働省の資料をもとに、その平均を見ていきます。