2019年に発表された、金融庁金融審議会の市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」によれば、人生100年時代において95歳まで生きるには、夫婦合わせて約2,000万円の資産取り崩しが必要になるという試算が導き出されました。

後日、「これはあくまでも試算であり、誰にでも該当するということではない」と訂正されましたが、ニュースなどでも取り上げられたため、記憶にある人もいるでしょう。そこで今回は、60代の平均貯蓄額や、これからでもまだ間に合う貯蓄方法について考察します。

笑い飛ばせない「老後2,000万円問題」

「気になる老後2,000万円問題。いくら“これはあくまでも試算”といわれても、やはりそれくらいは必要になるだろうなと思います。我が家はまだその貯金額まで到達しておらず、かといって子ども夫婦に負担をかけたくないし、不安です」(女性 56歳)

「うちはこじんまりとした持家でローンも完済しているので、将来住むところに困ることはないけれど、切り詰めっぱなしの生活では、今までの自分の人生、頑張り続けてきた意味がない。やはり年金にプラスしてある程度旅行や趣味を楽しむ余裕ある生活のために、貯金は必要ですよね」(男性52歳)

50代前後から、漠然と意識し始める定年退職。社会の複雑なしがらみから解放されて第二の人生を謳歌したいところですが、平均寿命が延びたぶん、生活を維持し続けるお金がもつかどうか不安、と考える人も多いようですね。