貯蓄1000万円あれば、老後は安泰?

50代になると徐々に意識し始めるのが、定年や老後の生活。金融広報委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」で世代別平均貯蓄をみてみると、40代では平均694万円であるのに対し、50代は平均1,194万円まで貯蓄額が増加しています。

金融庁「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書」(令和元年6月)では、65歳で定年を迎えた無職夫婦世帯が老後を送るうえで、20年で1,300万円、30年で2,000万円の貯蓄が必要になるとしています。退職金や年金が入ってくることを考えると、貯蓄が50代で1,000万円に到達していれば、老後の安心もみえてくるのではないでしょうか。

しかし一方で、50代の貯蓄中央値は600万円です。平均よりも中央値の方が一般的な数値であると考えられるため、多くの人は中央値寄りの貯蓄額なのではないでしょうか。同データによると、1,000万円以上貯蓄している世帯は26.6%ですが、金融資産非保有世帯も21.8%存在し、決してすべての世帯で余裕をもてているわけではない現状がうかがえます。