「生涯独身」という人生を選ぶ「おひとりさま」が多く見受けられるようになりました。
2015年の国勢調査においても、日本人の生涯未婚率(50歳時点での未婚率)は男性が約23%、女性は約14%という結果が示されています。女性の社会進出により、自分1人で生活できる十分な収入を得ている人もいることでしょう。
でも、「今は問題なくても、老後の生活は大丈夫かな?」などと、ふと気になったことはありませんか?
将来受け取る年金額を知らず、漠然とした不安を抱えている人も珍しくないはず。そこで、厚生労働省による「厚生年金保険・国民年金事業年報」令和元年度(速報版)をもとに、ご自身が受け取る年金額をチェックしておきましょう。
厚生年金に加入していた場合、もらえる年金はどのぐらい?
まずは、民間企業の会社員だった人が該当する「厚生年金」についてみていきましょう。
厚生労働省の「厚生年金保険・国民年金事業年報」では、厚生年金保険(第1号)の老齢年金の年金月額階級別受給権者数令和元年度(速報版)として、受給権者数と年金月額を以下のように示しています。
厚生年金保険(第1号)の受給権者数…1599万人
- うち男子1066万7000人、女子532万人
平均年金月額…14万4268円
- うち男子16万4770円、女子10万3159円
女子の平均は、男女の平均より4万円ほど下回る約10万円という結果に。また、実際の受給額は人によっても大きな差があります。次では、厚生年金保険(第1号)受給権者の、男女の平均の老齢年金の年金月額の分布をみていきます。
老齢年金の月額分布:厚生年金保険 第1号(男女)
- 30万円~:1万8000人
- 29~30万円:1万2000人
- 28~29万円:2万5000人
- 27~28万円:4万8000人
- 26~27万円:8万人
- 25~26万円:12万8000人
- 24~25万円:20万人
- 23~24万円:29万6000人
- 22~23万円:43万人
- 21~22万円:60万8000人
- 20~21万円:77万8000人
- 19~20万円:90万6000人
- 18~19万円:97万7000人
- 17~18万円:100万4000人
- 16~17万円:97万2000人
- 15~16万円:92万3000人
- 14~15万円:89万3000人
- 13~14万円:88万1000人
- 12~13万円:91万3000人
- 11~12万円:100万2000人
- 10~11万円:110万7000人
- 9~10万円:112万4000人
- 8~9万円:94万1000人
- 7~8万円:68万7000人
- 6~7万円:39万1000人
- 5~6万円:17万4000人
- 4~5万円:13万人
- 3~4万円:12万4000人
- 2~3万円:7万2000人
- 1~2万円:2万1000人
- ~1万円:11万9000人
男女あわせた数字ではありますが、ご覧のようにかなりの幅があります。なかには、5万円に満たない金額の人も。
月給比例部分である報酬比例部分の影響があるため、年金の受給額は一概には言えないのが現状です。
なお、企業年金連合会は2015年10月に旧共済年金が厚生年金に統合された際、以下のように示しています。
- 旧共済年金の加入者…第2号厚生年金被保険者(国家公務員共済)
- 第3号厚生年金被保険者…地方公務員共済
- 第4号厚生年金被保険者…私立学校共済
国民年金に加入していた場合、もらえる年金はどのぐらい?
働き方の多様化により、自営業やフリーランスとして働く女性も増えています。これらの人が該当する国民年金の受給額は、どれくらいなのでしょうか。男女合わせた国民年金・老齢年金の年金月額階級別受給権者数は、以下の通りです。
- 7万円~:182万2000人
- 6~7万円:1448万1000人
- 5~6万円:766万6000人
- 4~5万円:470万6000人
- 3~4万円:297万人
- 2~3万円:96万2000人
- 1~2万円:30万5000人
- ~1万円:7万9000人
国民年金・老齢年金は、男子の平均が5万8866円、女性の平均が5万3699円となっています。先ほどの厚生年金と比べると、男女差はそこまで大きくありません。しかし、おひとりさまとして老後の生活費を自力でやりくりするとなると、年金だけでは厳しい状況だといえるでしょう。
「おひとり様」の老後に備えて
総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2019年(令和元年)平均結果の概要」では、単身世帯(平均年齢59.0歳)の消費支出額は約16万4000円と示されています。
厚生年金の女性の平均年金月額は約10万円、国民年金は約5万円であることを踏まえると、年金収入のみでは生活費が不足する可能性が高いです。
現役時代は、お金を比較的自由に使えるおひとりさま。その反面、リタイア後も1人でお金のやりくりをしなければなりません。また、夫婦世帯とは違い、お金を払って他人に頼る場面も増えることも考えられます。
十分な老後資金がないままだと、悠々自適な老後生活が遠ざかってしまうことに。若いうちから、老後への備えを念入りにしておきたいですね。
参考資料
- 厚生労働省「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告家計収支編 2019年(令和元年)平均結果の概要」
- 中野令子(LIMO)「おひとりさまの老後~高齢単身無職世帯は毎月いくら貯蓄を取り崩す?」
