娯楽番組等は、受信料を払った人だけが見ることのできる番組として、分社化して独立した会社が製作するのです。
実際の切り分けは容易ではないでしょうが、そこは今後広く議論していけば良いでしょう。「美しい景色を見て楽しむための番組」ならば娯楽番組かもしれませんが、「日本の美しい自然を広く国民に知ってもらうための番組」ならば税金で製作しても構わない、といった議論が必要でしょうね。
国営だから政府の言いなり?
「税金で運営すると、NHKが政府の言いなりになるので反対だ」という意見が当然出てくるでしょうが、筆者はそれに対して二つの反論を用意しています。
第一は、「政府が介入できるなら、今でも介入しているはずだ」というものです。政府を信じる人は「今でも介入していないし、税金で運営するようになっても介入しないだろう」と考えるでしょうから、反対する理由はないでしょう。
政府を信じない人は「今でも介入しているはずだ」と考えるでしょう。今でも介入しているのだとすれば、税金で運営するようになっても事態が悪化することはなさそうですから、税金での運営に反対する理由はなさそうですね。
筆者の反論の第二は、より説得力があると思います。それは、「国立大学の教授が政府の言いなりになっているわけではないので、心配無用」というものです。国立大学の教授で、正面から政府に反対している人は大勢いますから。
本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。ご了承ください。
<<筆者のこれまでの記事リスト>>
塚崎 公義