目先の利益を優先してしまう「現在志向バイアス」

学校などで習う経済学では、基本的に人間はいつも経済的な合理性を考えて行動するとされていました。「明日もらえる1万円」と「1年後にもらえる1万2,000円」だったら、金額が多い1万2,000円のほうがトクだからそちらを選ぶのが経済合理性だというわけです。

ですが、実際には多くの人が「明日もらえる1万円」を選ぶのではないでしょうか。このように、遠い未来の利益よりも目先の利益を優先してしまうという心理に左右されてしまうのは仕方ないことですが、一方で私たちの本来の目的を邪魔してしまうこともあります。

ただ、自分の考え方のクセを知っておけば、これも防げる可能性があります。たとえば、「健康のことを考えてジョギングすることにしたけれど、今日は疲れたしサボってしまおう」と思うことはありませんか?

もしくは、「節約しようと思っているけれど、今日はせっかく買い物に来ているから今日だけは特別にたくさん買い物をしてしまおう」と思うこともあるかもしれません。

そんなとき、「こう思ってしまうのは現在志向バイアスのせいなんだ」と考えることができれば、本来の目的にかなった行動を取れるのではないでしょうか。

自分に都合のいい情報ばかり収集してしまう「確証バイアス」

私たちは毎日さまざまな情報を取り込んで生きています。インターネットの普及でより多くの情報を収集することができるようになりましたが、そうしたさまざまな情報の中から私たちはつい自分にとって都合のいい情報ばかりを収集してしまっています。