たとえば、占いの類もこれに当てはまります。血液型占いで「A型は几帳面でマジメ」と書かれているのを見たあとに、A型の人が掃除をしていたり本を読んでいるのを見たら、「やっぱりA型は几帳面でマジメだな」と思ってしまいませんか。
確証バイアスのことを知り、もしかしたら自分に都合の悪い情報を取り入れられていないのでは、という視点を持つことが大切です。自分に都合の悪い情報を取り入れないとつい考え方が偏ってしまいますが、意識的に自分に都合のいい情報以外も取り入れるようにすると、ものの見方が広がるでしょう。
あえて高いものを選んでしまう「ヴェブレン効果」
ヴェブレン効果というのは、いわゆる見栄の消費です。高級ブランド品を購入すると、いろんな人に見せびらかしたり、自慢したくなって、持ち歩きたくなるのが人間の心理。それで、多くの人の手が届かないようなモノをあえて購入してしまうのです。
別な言い方をすると、真の商品価値にかかわらず「高いからこそ、価値がある」ということを感じて購入してしまうのが「ヴェブレン効果」。まさに、あえてブランド志向でモノを購入する心理ですね。
これも意識して心にとめておくだけで普段の生活が少し変わるのではないでしょうか。自分にとって本当に必要なものなのか、それとも単なる見栄の消費であって自分の生活には不要ではないのか。そういうことを常に考えて買い物をしたいものです。
おわりに
自分たちの心理なのに、私たちは意外と自分のことを知らないものです。まずは今回紹介したような心理効果で、”実は損している”こともあるというのを知りましょう。そして、意識的に「あ、いま私はこういう心理状態なんだな」と冷静に客観視すると、自分の消費行動が変わるかもしれませんね。
大塚 ちえ