14日間で約23万円。コロナ隔離施設滞在費が有料化された理由

ニュージーランドの隔離政策

バウチャー争奪戦は愛国心の現れ?

一国の国籍保持者や在住者がその国に戻れるのは当然の権利と考えられています。だからこそ最初は政府が全帰国者の隔離費用を負担していたのです。しかし結局のところ、8月に始まったシステムも、バウチャー制度も、人々の「自分の国・住む国に戻る」権利を妨げているではないかと、政府は突き上げられました。

2021年1月も半ばを過ぎた今、帰国しようという人の数は少し落ち着いてきました。1月11日のテレビニュース、「ワンニュース」が報じたところでは、隔離施設の部屋数4500のうち予約が入っているのは約4300と、確保されている部屋数を下回っていることがわかっています。

しかし2月のある1日のバウチャー購入希望者数は部屋数を上回っているそうです。バウチャーの争奪戦は今後も時折勃発することになるようです。

並々ならぬ苦労をしてバウチャーを手に入れ、3100NZドル(約23万円)という高額な費用を支払い、入国直後に14日間も隔離施設で缶詰になるーー理由は何であれ、そこまでしてニュージーランドに戻ってこようという人たち。「3100NZドル(約23万円)が高い」と、指をくわえて日本に一時帰国しない私たちは、愛国心に欠けているのかもしれません。

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執筆者

1998年よりニュージーランド在住。東京での編集者としての経験を生かし、仲間と各種メディアを扱う会社を創設、編集長を務める。2002年に独立し、本格的に執筆活動を開始する。ニュージーランド航空やニュージーランド観光局の発行物やウェブサイトを手始めに、国内および他の英語圏の国々における環境、ビジネス、子育て/教育、文化、テクノロジーなどの分野について、多岐にわたる媒体に寄稿。海外在住日本人ジャーナリスト集団「Global Press」所属。共著書:『コロナ対策 各国リーダーたちの通信簿』(光文社新書)