14日間で約23万円。コロナ隔離施設滞在費が有料化された理由

ニュージーランドの隔離政策

訪問国で重病・危篤の家族や親族を見舞うなどの場合には、温情措置を受けることができ、費用は免除になります。免除の申請には、所定の書類を企業・技術革新・雇用省(MBIE)に提出し、審査を受けます。

一方で、「母国に一時帰国したい」「海外旅行がしたい」というのは個人の希望に過ぎないので、費用は自己負担しなくてはなりません。筆者や周囲の在住日本人の出国目的はまさにこれ。高額な費用を払わなくてはならないので、二の足を踏んでいるというわけなのです。

遊んで帰国する人が費用を払わないのは不当

各帰国者の隔離施設滞在費は3月19日の国境封鎖開始日から政府が支払っていました。ニュージーランド人・在住者にとって、自国や普段自分が住む国に戻るというのは当然の権利だからです。

しかし政府のこの配慮に反対する人が出始めました。帰国する人の中には、海外に遊びに行った人も含まれています。なぜ個人の希望で出国した人の費用も血税でカバーするのかというのが、反対者の言い分です。

そこで費用を当事者が支払うシステムが8月11日から始まったのです。政府が3月19日からシステム導入の少し前、6月末までに負担した額は、8000万NZドル(約60億円)に上ります。さらに2020年末までの分として約4億2000万NZドル(約314億円)を用意していました。

10月頭にMBIEが発表したところでは、個人が費用を負担しなくてはならないのは559件でした。そのうち実際支払ったのはわずか23件分に留まったそうです。

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執筆者

1998年よりニュージーランド在住。東京での編集者としての経験を生かし、仲間と各種メディアを扱う会社を創設、編集長を務める。2002年に独立し、本格的に執筆活動を開始する。ニュージーランド航空やニュージーランド観光局の発行物やウェブサイトを手始めに、国内および他の英語圏の国々における環境、ビジネス、子育て/教育、文化、テクノロジーなどの分野について、多岐にわたる媒体に寄稿。海外在住日本人ジャーナリスト集団「Global Press」所属。共著書:『コロナ対策 各国リーダーたちの通信簿』(光文社新書)