14日間で約23万円。コロナ隔離施設滞在費が有料化された理由

ニュージーランドの隔離政策

航空券があっても、バウチャーなくしては入国不可

政府は10月5日にはこのシステムをさらにバージョンアップ。政府管理の隔離施設に入るためのバウチャーを発行するというのです。

ニュージーランドに帰国する予定がある場合、まずは管理隔離全般の情報を包括するマネージド・アイソレーション・アンド・クァランタイン(MIQ)のウェブサイトに行き、オンラインで「管理隔離施設のバウチャー」(入所許可)を購入し、予約をせよというわけです。

これであれば、支払うべき人全員から費用を回収できます。重病・危篤の家族や親族を見舞ったり、亡くなった際の葬儀に出席したりというケースには、やはり費用免除が適用されます。

バウチャー制度導入後は、たとえ航空券があっても、バウチャーがなければ搭乗を拒否される仕組みになっています。やや厳しいようですが、コロナをニュージーランド国境で食い止めようという意図があるため、仕方がなさそうです。

それでも、ロックダウンを乗り切り、やっと自国ニュージーランドに戻れる段になった人にとって、この制度の導入は酷でした。クリスマスや新年を控えていたからです。特にクリスマスは、毎年海外在住のニュージーランド人たちが家族に会いに、こぞって帰国する時期です。ですが政府管理の隔離施設にはたった4500室が用意されているだけです。

そこでネット上で販売が行われるバウチャーをめぐり、争奪戦が繰り広げられました。何時間もコンピュータとにらめっこし、何回も更新ボタンを押して空きが出ないかを確認する人が続出し、コロナのストレスに拍車をかけたといいます。そこまでしても入手できず、泣く泣く帰国を諦めた人が何人も出ました。

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執筆者

1998年よりニュージーランド在住。東京での編集者としての経験を生かし、仲間と各種メディアを扱う会社を創設、編集長を務める。2002年に独立し、本格的に執筆活動を開始する。ニュージーランド航空やニュージーランド観光局の発行物やウェブサイトを手始めに、国内および他の英語圏の国々における環境、ビジネス、子育て/教育、文化、テクノロジーなどの分野について、多岐にわたる媒体に寄稿。海外在住日本人ジャーナリスト集団「Global Press」所属。共著書:『コロナ対策 各国リーダーたちの通信簿』(光文社新書)