航空券があっても、バウチャーなくしては入国不可

政府は10月5日にはこのシステムをさらにバージョンアップ。政府管理の隔離施設に入るためのバウチャーを発行するというのです。

ニュージーランドに帰国する予定がある場合、まずは管理隔離全般の情報を包括するマネージド・アイソレーション・アンド・クァランタイン(MIQ)のウェブサイトに行き、オンラインで「管理隔離施設のバウチャー」(入所許可)を購入し、予約をせよというわけです。

これであれば、支払うべき人全員から費用を回収できます。重病・危篤の家族や親族を見舞ったり、亡くなった際の葬儀に出席したりというケースには、やはり費用免除が適用されます。

バウチャー制度導入後は、たとえ航空券があっても、バウチャーがなければ搭乗を拒否される仕組みになっています。やや厳しいようですが、コロナをニュージーランド国境で食い止めようという意図があるため、仕方がなさそうです。

それでも、ロックダウンを乗り切り、やっと自国ニュージーランドに戻れる段になった人にとって、この制度の導入は酷でした。クリスマスや新年を控えていたからです。特にクリスマスは、毎年海外在住のニュージーランド人たちが家族に会いに、こぞって帰国する時期です。ですが政府管理の隔離施設にはたった4500室が用意されているだけです。

そこでネット上で販売が行われるバウチャーをめぐり、争奪戦が繰り広げられました。何時間もコンピュータとにらめっこし、何回も更新ボタンを押して空きが出ないかを確認する人が続出し、コロナのストレスに拍車をかけたといいます。そこまでしても入手できず、泣く泣く帰国を諦めた人が何人も出ました。