2021年の見通し~不確実性の終焉、復興する経済~

世界経済は復興の局面にあり、世界恐慌以来の深刻なリセッションから回復しつつあります。 完全な回復には時間を要しますが、2021年の経済回復は企業収益の伸びをサポートする見込みです。ただし、回復ペースは国や地域により異なり、ワクチンの普及や政策支援の状況に左右されるでしょう。

一方、政策を巡る不確実性は終焉を迎えると予想しています。経済政策不確実性指数が示すように、すでに不確実性は低下傾向にあり、地政学と貿易に関するリスクは残るものの、他は分析可能な範囲内だと考えます。

また、中期的に金利の横ばいを予想しますが、FRB と 欧州中央銀行(ECB)はさらなる低金利の長期化策や新たな政策フレームワークを導入することが考えられるため、低金利のさらなる長期化シナリオを織り込みながら、投資戦略を立てていく必要があります。

復興経済における投資戦略

今後、各資産クラスの期待リターンは長期にわたり低下すると見込まれるため、現実的なリターンを想定する必要があります。特に、先進国国債はリターンが低下する一方で、以前よりもリスクが高まっていることからも、経済が復興していく中では、地域配分を管理しながらも、株式への資産配分が、依然として理に適っていると考えます。

そして、投資戦略の中で重要な役割を果たすと考えられているのが、ESG(環境・社会・ガバナンス)です。ESGはnice to have(あると良い)ではなく、need to have(なくてはならない)となっているのです。ESGについては、こちらの記事をご参照ください。「あなたの投資が世界を変える。その2つの理由とは? <HSBC投信レポート>