2月は確定申告の準備や新年度に向けた家計の見直しが進む時期です。
公的年金についても、2026年度(令和8年度)の受給額が物価や賃金の動向を反映し、4年度連続で引き上げられることが厚生労働省より公表されています。
例えば、昭和31年4月2日以降に生まれた方の国民年金(老齢基礎年金)の満額は、月額7万608円となる見通しです。
本記事では、公的年金制度の基本的な仕組みを整理するとともに、厚生年金や国民年金の平均的な受給水準について、最新の公表資料に基づいた目安を解説します。
老後の生活設計を考える上での客観的な指標として、現状の制度や受給額の傾向を把握する一助となれば幸いです。
1. 《はじめに》年金制度改正の全体像をチェック
2025年6月13日、「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案」が参議院本会議で可決され、法律として成立しました。
この改正は多様化する働き方や家族構成、ライフスタイルを踏まえた年金制度を目指すものです。また、私的年金制度の拡充や所得再分配の強化などによって、シニアの暮らしの安定に繋げることなども大切な狙いです。
今回の改正の全体像を見ておきましょう。
1.1 主な改正内容
社会保険の加入対象の拡大
- 中小企業において短時間で働く人などが、厚生年金や健康保険に加入し、年金増額などのメリットを受けられるようにする
在職老齢年金の見直し
- 年金を受け取りながら働くシニアが、年金を減額されにくくなり、より多く働けるようにする
遺族年金の見直し
- 遺族厚生年金の男女差を解消。子どもが遺族基礎年金を受給しやすくする
保険料や年金額の計算に使う賃金の上限の引き上げ
- 月収が一定以上となる人が、賃金に応じた年金保険料を負担し、現役時代の賃金に見合った年金を受給しやすくする
その他の見直し
- 子どもの加算などの見直し、脱退一時金の見直し
- 私的年金の見直し:iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)加入年齢の上限引き上げなど
上記の改正内容からも、公的年金は「老後の受給額」だけの話ではなく、現役世代からの人生設計とも深い関わりを持つことが分かります。
「人生100年時代」と呼ばれる長寿時代。若いうちから公的年金のしくみに関心を持っておきたいものです。
