FRBも、ついにNGFSに加盟

NGFSとは、Network for Greening the Financial System、日本語に直訳すると「金融システムのグリーン化のためのネットワーク」で、気候変動リスクへの金融監督上の対応を検討するための中央銀行及び金融監督当局の国際的なネットワークのことです。

2017年に、イングランド銀行やフランス銀行など8機関が中心になって設立され、日本の金融庁は2018年、日本銀行は2019年にメンバーとして加盟しています。2020年12月14日時点で、 83のメンバーと13のオブザーバーが登録されていましたが、そこに、FRBが正式に加盟したことを発表しました。

環境問題は金融安定化の一環として考慮しなくてはならないリスクの1つという認識をFRBも示したことで、今後の気候変動リスクに対する各国の中央銀行の対応にも注目が集まっています。

米証券取引所ナスダックの新たな試み

米証券取引所ナスダックが、上場企業の取締役会のダイバーシティ(多様性)の向上を促すための新たな規則を策定し、SEC(米証券取引委員会)に承認を要請したと発表しました。

具体的には、ナスダック上場企業には、取締役のうち最低ひとりを女性、もうひとりを人種的少数派(マイノリティー)か、LGBT+等と呼ばれる性的マイノリティーに任命することを促し、取締役メンバーの性別や人種に関する報告書公表を義務づけます。

この規則に従えない企業は、最悪の場合、ナスダック上場廃止となる恐れもあります。環境問題と同様に社会問題への企業の取り組みも、マーケットにおいて重要な要素となることが示されたのです。

2021年は日米欧中が脱炭素に向けて足並みを揃える

2020年12月に開かれた、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の採択5周年を記念する首脳級のオンライン会合で、菅義偉首相は「2050年までに温暖化ガス排出を実質ゼロにすることを目指す」と宣言しました。

欧州連合(EU)は2019年に、2050年までに域内の排出実質ゼロを目指すといち早く決定しており、中国も2060年までのCO2排出実質ゼロを宣言しています。