ジョブ型雇用で社畜から解放される!?

ジョブ型雇用が日本で実現されたら、どうなるか。たとえば身近な例としては「オレは我が社のムードメーカーだから」という存在理由の社員は、かなり危険な立場になります。「社内のムードメーカー」「コミュニケーションの潤滑油」などの“仕事"はメンバーシップ型雇用システム独特のものですから。

実はジョブ型雇用システムを「ワークスタイルの変革」としてとらえるのは、誤りだと思っています。ワークスタイルどころの話ではなく、社会システムの変革ではないでしょうか。まず、新卒一括採用が不要になります。新卒一括採用は無色透明に近い新人を採用し、ゼネラリストをつくりあげていくものですから。

さらに労働市場の流動化、大転職時代がスタートします。実は日本企業におけるゼネラリストは、各企業の個別事情に過剰に準拠するため、異企業との互換性の低い“ゼネラリスト"になるという実情があります(これは終身雇用が維持できるなら問題ないのですが)。

「社」に就くのではなく、明確化された「業務(ジョブ)」に就く以上、知識・スキルは標準化され、転職市場は加速します。日本のサラリーマンの自社へのロイヤリティ(忠誠心)は、ジョブ型の欧米社会とは比較にならないほど高いですが、これが希薄化します。つまり、もう、社畜なんてものとは訣別です。