定年60代、貯金2000万円で老後不安はないか

モデルケースの支出額ですが、検討を要する点が2つあります。

1つめは住居費用です。2000万円問題の根拠となる、このモデルケースですが、住居費用が約1.4万円で計算されています。

住居費用が1.4万円で計算されているため、住居にかかる費用は、ほとんど想定されていないと言えるでしょう。

特に賃貸に居住予定の人は、家賃10万円の賃貸で住んだ場合で計算しますと、月8.6万円の狂いが生じます。

実際に算出してみます。老後30年間でいくらになるのでしょうか。

家賃10万円の場合

  • (10万ー1.4万)×12ヶ月×30年=3096万円

賃貸に住む場合、計算上では別途家賃分の3096万円が必要となります。

2つめは介護費用です。2000万円問題では、ほぼ考慮されていません。

老後の生活も長くなれば、色々な原因で病気にかかったり、介護状態になる可能性が高くなります。

例えば、有料老人ホームに入居した場合、入居費用が必要な施設だと、数百万円の費用が必要です。プラスして毎月の費用がかかります。

首都圏での入居を考えている人は、地方より相場が高めですから、その分費用がかさむことも想定する必要があります。

住居費用と介護費用。どちらも、各世帯によって事情が異なりますが、これらの費用は月々の年金や今までの貯金から捻出することになります。

将来の住まいのあり方やライフスタイルによって、準備するお金は大きく変わります。自分にとって準備が必要なお金かどうかを、今から考えることが重要かもしれません。