債券市場

一進一退の展開続く

インド国債市場は、2020年7月以降は一進一退の展開となっている。インフレ率が高止まりを続けているものの、中央銀行は新型コロナウイルスの感染拡大の打撃を受けている景気を下支えするため、政策スタンスを「緩和的」に維持している(2020年12月31日現在)。

HSBC投信の債券運用戦略

インド債券市場は、グローバル投資家にとり良好な投資機会を提供している。新型コロナウイルスによる経済的混乱が収束するに伴い、インド経済の優位性が一段と注目されよう。インド国債の相対的に高い利回り水準にも妙味がある。

インド債券の運用においては、引き続きインドルピー建国債に重点を置いて投資を行っている。また、短中期のインドルピー建社債を選好している。一方、米ドル建インド債券には慎重な姿勢を維持する。

為替市場

インドルピーは対米ドルで上昇、対円ではレンジ相場続く

インドルピーは対米ドル、対円ともに、2020年2月下旬から3月にかけて、新型コロナウイルスの感染者の世界的な広がりを受けた投資家のリスク回避志向の高まりを背景に、他の新興国通貨とともに急落した。その後は、対米ドルでは上昇基調、円ではレンジ相場を続けている(2020年12月31日現在)。

インドルピー相場は、短期的には世界および国内の新型コロナウイルスの感染状況を巡り不安定な動きとなる可能性があるが、長期的には、相対的に良好な経済ファンダメンタルズや潤沢な外貨準備高が支援材料となり、堅調な展開が予想される。