地方公務員の退職金手当制度

続いては、定年まで働くうえでの安心材料の1つである「退職金」についてみていきましょう。地方公務員の退職手当は、「国家公務員退職手当法」に準じて支払われます。その基本算定構造は、以下の通りです。

退職手当額 = 基本額 + 調整額
基本額 = 退職日給料月額 × 退職理由別・勤続年数別支給率
調整額 = 調整月額のうちその額が多いものから 60 月分の額を合計した額

基本額を算出する際の「支給率」は、勤続年数と退職理由によって異なります。60代で定年を迎えるケースを想定した「勤続年数45年、定年・勧奨」の場合だと、支給率は「59.28月」となります。基本額だけで約5年分の退職日給料月額をもらえると考えると、心強く感じるのではないでしょうか。

地方公務員の退職金、平均はどのくらいか

では、この基本算定構造をもとにした退職金の具体的な金額はどのくらいのなのでしょうか。総務省が発表した「給与・定員等の調査結果等」をもとに、各行政単位における「全退職者の平均支給額」についてみていきましょう。

都道府県(47団体)

全職種・・・1126万9000円

  • 一般職員・・・1261万9000円
  • 一般職員のうち一般行政職・・・1463万4000円
  • 教育公務員・・・1107万2000円
  • 警察職・・1717万円

指定都市(20団体)

全職種・・・1327万1000円

  • 一般職員・・・1325万9000円
  • 一般職員のうち一般行政職・・・1727万7000円
  • 教育公務員・・1575万千円

なお、これらの数字は定年退職以外の人を含んだ平均額です。それでも、いずれも1000万円という大台を超えていますね。なかでも一般行政職や教育公務員、警察職は、比較的高い金額となっています。