ドリルにもキャラクター登場で大ベストセラーに

親世代にとってドリルというと、申し訳程度のイラストに、せいぜい2色刷りというお世辞にも華やかなものではありませんでした。しかし、教材もただ問題を載せているだけでは子どもから選ばれなくなってきています。本屋さんに行くと色とりどりの個性的なドリルがたくさん並べられ、一瞬「これは本当にドリルなの?」と戸惑うものもあります。

子どもが好きなキャラクターを前面に出した問題集やドリルもありますが、中でも目立つのがすみっコぐらし。女子児童に大人気のキャラクターがドリルとして登場したのは今から4年前の2016年11月のことです。発売当初は国語と算数のみでしたが、現在ではプログラミングや英語にまでラインナップが拡大。

昔は考えられなかったカラフルなキャラクターのシールが78枚もついているなど、女児が欲しがる作りのすみっコぐらしのドリルは、少子化と出版不況という厳しいなかでシリーズ累計160万部を突破し、ベストセラーとなっています。

そして、ここ数年で販売された小学生向けドリル最大のヒットが2017年3月に出版されたうんこ漢字ドリルです。例文はうんこに絡んだものという前代未聞のドリルはSNSで爆発的に広まり、メディアでも大きく取り上げられました。一時は品薄になるなどドリルの世界に新風を吹き込んだのです。

うんこドリルは幼児向けや算数さらに英語と多岐にわたり、シリーズ累計800万部という驚異的な数字を叩き出しています。この強烈な個性を持つ大ヒットドリルの後を追って類似ドリルも複数出版されていますが、本家を超えるものはまだ誕生していません。

当たった時の大きさは計り知れず

うんこドリルのキャラクターは、SNSやメディアを通じて広く世間に浸透しました。キャラクターの商品開発も行われ、ドリルという教育系との親和性も相まって文房具品も販売されています。

そして2019年には「うんこ学園」と銘打った公式サイトをオープン。ドリルの世界を飛び越えてキャラクターとして独り立ちできたのも、絶大な人気があるからこそといえるでしょう。