暦の上では雨水(うすい)も終盤を迎え、九州や四国からは春一番の便りも届き始める頃となりました。3月を目前に控え、確定申告の手続きを終えてホッと一息ついている方も多いのではないでしょうか。しかし、申告の結果確定する「所得」は、実は医療費の窓口負担を決める重要な鍵を握っています。
75歳以上の後期高齢者医療制度では、これまで1割負担だった層の一部が「2割負担」へと移行しています。
75歳以降は後期高齢者医療制度の対象となり、医療費の窓口負担は基本的に1割ですが、所得状況によっては2割や3割負担となるケースがあります。
この負担割合は、年金収入のみで判断されるわけではなく、その他の所得や世帯の人数も考慮されます。
では、どの程度の収入や所得水準で「2割負担」に該当するのでしょうか。
本記事では、単身世帯と複数世帯に分けて、2割負担となる目安について整理していきます。
1. 【高齢者世帯の所得事情】1世帯あたりの「平均所得額」はどれくらい?
厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」を参考に、高齢者世帯(※)の1世帯あたりの平均所得金額を確認します。
高齢者世帯の平均総所得は年314万8000円で、月額換算ではおよそ26万円となっています。
※高齢者世帯:65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の者が加わった世帯
総所得:314万8000円 (100.0%)
【内訳】(カッコ内は総所得に占める割合)
- 稼働所得:79万7000円(25.3%)
- うち雇用者所得(※):66万5000円(21.1%)
※雇用者所得:世帯員が勤め先から支払いを受けた給料・賃金・賞与の合計金額で、税金や社会保険料を含む
- うち雇用者所得(※):66万5000円(21.1%)
- 公的年金・恩給:200万円(63.5%)
- 財産所得:14万4000円 (4.6%)
- 公的年金・恩給以外の社会保障給付金:1万8000円 (0.6%)
- 仕送り・企業年金・個人年金等・その他の所得:18万9000円(6.0%)
内訳を見ると、収入の約3分の2を占めるのが月額約16万6000円の公的年金です。
さらに、全体の約2割にあたる月額約5万5000円が雇用者所得となっています。
これらの数値から、高齢者世帯の家計は公的年金を基盤としつつ、仕事による収入によって支えられている様子がうかがえます。
次に、「後期高齢者医療制度」の加入対象者や保険料について見ていきます。
